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宮里藍が描く挑戦の足跡

藍、記録的な追い上げで首位と2打差の単独3位に浮上

富士通レディース2日目、初日1オーバーと出遅れた宮里藍は、前半2つのボギーを叩いてスコアを落とすものの、後半は4連続を含む6つのバーディを奪い、ハーフ自己ベストとなる「30」でのラウンド。この日4つスコアを伸ばして通算3アンダーとし、首位と2打差の単独3位に急浮上を果たした。後半のパット数も自己新記録の「9」。前半とは別人のようにパットが冴えた宮里だが、そのきっかけは、わずか数センチの微調整にあった。

昨日のラウンド後の練習では、フック回転やスライス回転が出るなど、ボールの転がりが安定しなかったという宮里。9番で1メートルのパーパットを外すと、「これは駄目だ」と、後半からパターを握る両手の間隔を2センチ離し、これが効を奏したという訳だ。

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この間隔は、日本女子オープン前に、父でコーチの優氏から離れすぎを指摘されて近づけた経緯がある。「私は、離す方が一体感が出るから好きなんです」という宮里。わずかな修正だったが、「転がりが良くなって、カップの手前でボールが伸びるようになった」と、その影響は大きかった。

ラウンド中に、自分自身でこの修正を施せるのが宮里の強さだろう。同時に気持ちも切り替えて、10番から4連続バーディを奪う集中力も発揮した。「自分で掴んだチャンスなので、このチャンスをきっちりと掴んでおきたいです」。最終日に向け、言葉にも自信が満ち溢れている。

ただ一つ不安点をあげるとすれば、本人は何も言わなかった腰の痛みだ。前半、腰を気にするような仕草を見せていた宮里は、ハーフ終了時に同行する鎌田トレーナーに違和感を訴え、腰にテーピングをして貰っている。肌寒い8時45分のスタートが影響したのか、2番ホールで痛めたという。暖かい陽が照り始めた午後もセーターを脱がなかった宮里の真意は、そんなところにあったのかも知れない。

2006年 富士通レディース



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