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石川遼

遼、苦しみ抜いての勝利! 賞金ランクもトップに浮上

2位に3打差のリードを奪い、自身初の大会連覇に向けて「フジサンケイクラシック」最終日に臨んだ石川遼。だが、スタートホールの1番でティショットを右のバンカーに打ち込み、ボギーが先行。3番でバーディを奪うも、5番で再びボギー。この3日間苦しめられてきたアウトコースで、この日も1ストローク落としてしまう。

ここで石川の前に立ちはだかったのが、2位タイからスタートした高校の先輩・薗田峻輔だ。前半で3バーディを奪い、通算8アンダーで後半へ。石川は、逆に1打差を追う立場となりサンデーバックナインを迎えた。アウトとは逆に、この3日間スコアを伸ばしてきたインコース。その相性はこの日も健在で、10番で早々にバーディ。さらに11番ではグリーン右ラフからチップインバーディを奪い、タイガー・ウッズを彷彿とさせる豪快なガッツポーズを見せた。だが、直後の12番でボギーを叩き、「良い流れを作れず、展開を苦しくさせた」と、その後は伸び悩む。

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「13番、14番でもチャンスを逃し続け、(薗田に)置いていかれるのではないか、という不安があった」と振り返る石川。その影響はパットにも現れ、「ボールの転がりが、ほんの少し狂っていた要因だと思う」と、その後も3メートル前後のバーディパットがことごとくカップを逸れた。17番パー5でもパーに終わり、通算10アンダーに伸ばしていた薗田とは2打差・・・と思った矢先。薗田が最終18番でボギーを叩き、その差は1打に。「一瞬消えかかった闘志が、一気に燃え始めた」。ティショットを左のバンカーに打ち込むが、残り176ヤードの2打目をピン手前80センチにつけ、バーディフィニッシュ。土壇場で通算9アンダーに並び、18番の繰り返しによるプレーオフへと持ち込んだ。

「全ての視線が僕と先輩に注がれた、夢のような時間だった」と石川。互いにチャンスを逃し合い、3ホール目まで全てパーで分け合う。迎えた4ホール目、先にパーとした石川に対し、薗田の1メートル弱のパーパットはカップに蹴られ、ついに決着。石川が自身初の大会連覇を飾り、賞金ランキングでも今シーズン初めてトップに浮上した。

「つらい時間の方が長かったので、優勝した実感は正直ありません」と、この勝利を冷静に受け止める石川。その中でも、「1年の中で最も勝つチャンスがあると思っていたトーナメントで勝てたことは、大きな自信になった。このコースでこれだけのプレーができたことは次に繋がると思います」と、自身の成長へと繋がる確信を口にしていた。

2010年 フジサンケイクラシック



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