【特集 タイガー・ウッズの見方(6)】テレビ解説者&プロゴルファーの視点
2002年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/15〜08/18 場所:ヘイゼルティンナショナルGC(米国ミネソタ州)
J.フューリック、F.ファンクが4アンダーで暫定首位タイ
全米プロは初日から天候が乱れ、スタート時間も大幅に遅れる波乱の幕開けとなった。雷雨によるサスペンデッドは午前8時38分から11時30分まで2時間52分という長時間に渡り、中断前にスタートしていたのは全52組中わずか18組。本来なら2時20分に予定されていた最終組のスタート時間は4時55分までずれ込んだ。スタート時間の狂いは、降雨によるコースコンディションの変化と合わせ、選手たちのスコアに少なからず影響を与えるだろうと予想された。
日没サスペンデッドとなった初日、暫定首位に立ったのは4アンダー68でフィニッシュしたジム・フューリックとフレッド・ファンク。10番からスタートしたフューリックは、前半(バック9)13番でボギーが先行したものの難関の16番でバーディを奪い、後半(フロント9)は4バーディ。「風が強まるにつれて調子が良くなった。雨が降ったけど、グリーンも風が強まるにつれて少しずつ固く速くなっていった」と自らのラウンドを振り返るフューリックは、米ツアー7勝のベテランだが、メジャーは未勝利。今年のメジャーは3つとも予選落ち。「でも私は今年、メモリアルトーナメントで勝っている。いいことだけを考え、悪いことは忘れてがんばりたい」と、今季最後のメジャー制覇に意欲を見せる。
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前週のビュイックオープンに続き、2週連続で優勝を狙うタイガー・ウッズは3バーディ、2ボギー。1アンダー71、11位タイ(暫定順位)で初日を終えた。「今日はショットは良かったけど、ドライバーだけは悪かった。右へも左へも飛んでいき、ずっと感じがつかめなかった。グリーンは相変わらずかなり速いし、読むのも難しいね」。ラウンド後の感想を語るタイガーにアメリカ人記者が「今日のラウンドを色にたとえると何色?」と質問。タイガーはすかさず、「ブルーだね」。明日はバラ色のラウンドを期待したい。
日本人選手は5名全員が雷雨によるサスペンデッド後にスタートを切った。プレー再開直後に10番からティオフした伊沢利光は昨日から体調不良を訴えており、棄権も考えるほどの状態のまま初日に臨んだが、日本勢の中では最上位の21位タイ(暫定順位)で初日を終えた。4バーディ、4ボギーでイーブンパー72という成績に、「上出来です。グリーンはちょっと柔らかくなっているけどスピードは変わっていない。バーディチャンスでもオーバーしないようにと思ってしまうのでガツガツ打てない」。明日は午後遅い時間にスタートするため、「ゆっくり休みます」と言ってコースを去った。
片山晋呉は2連続バーディで好発進。「前半(バック9)はショットが少しぶれていた」とはいえ、ティショットを林に入れたりといったトラブル後でもよくパーを拾っていた。しかし、17番パー3のティショットを池に落としてダブルボギーを叩いたことが悔やまれる。2オーバー74、54位タイ(暫定順位)で初日のラウンドを終えた。「後半、ショットはかなり良くなってきた。最終ホールはティショットもセカンドショットも良かった。『これでわかった』という感じで(ラウンドが)終わりましたからね」と表情は明るい。
日没前になんとか18ホールを終了した谷口は、「スウィングテンポが早くなりがちだったけど後半は落ち着いた。パットは意外と好調。ニュードライバーもいいけど、1度だけ(同組の)スティーブ・ストリッカーに大きく置いていかれたのが悔しい」と、まだパワーがあり余っている様子。丸山茂樹、手嶋多一はそれぞれ1ホール、4ホールを残して日没サスペンデッド。丸山は、「長い1日だった」と疲れ気味だが、「アイアンは(左右の)どっちかに行ったなんてこともなかった」とニューウェポンにも満足気で、「明日は(いいスコアを)出すよ。16番が気持ち良く乗り切れればの話だけどね」。手嶋は、「(昨日の練習段階では)グリーン周りでトップしたりダフったりしていたけど、今日はうまくいきました」。それぞれに手ごたえを得た3人の成績は、いずれも3オーバー、79位タイ(暫定順位)。
18ホールを終了できなかった選手は明日早朝に残りホールを終え、第2ラウンドは午前7時45分からスタートする予定である。
レポート&写真:BEYONDSHIP