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尾崎健夫、6年ぶり勝利に王手

田中秀道が音をたてて崩れた。あれだけのゴルフをしていた男がボギー街道を突っ走り、一気に4オーバーへ後退。まだ体が本調子はないのだろうか。

しぶとさ・堅実で鳴る尾崎直道も苦しみぬいたラウンドだった。なんとかこらえて、盛り返しての73。2位グループに後退した。ジャンボ尾崎は例のパターンで静かに静かに上昇し5位グループ。この強さが不気味だ。

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そして3日目に輝いたのは3兄弟の次男・尾崎健夫。みんなが苦しむ高速グリーンにピタッとはまってイーグルが出るやらチップインがコロコロ決まるやらの驚異的な66。93年のKSBオープン以来、なんと6年ぶりのツアー勝利にあと一歩だ。

尾崎健夫はなんと18ホールを20パットで終わった。特にインコースではわずか8パット。「うーん、チップイン5回とはね。世界記録なんじゃないかとずーっと考えてたんだ。18番も入れたら確実なんじゃないかなと・・。これは外れましたけどね」

グリーンを正直に攻めるのではなく、「裏筋」を攻めたのだという。「グリーンを外してもパターを使えるようなところ。そういう裏へ裏へと攻めたから結果的にパット数が減った。たとえグリーンで2メートルにつけたって、バーディパットどころかその次も危ないような状況なんだもの。だから最初から狙いやすいところへ打っていったんだ」

こうした「裏」は、ほとんどがシンプルなラインで、しかも上りになる。パターが使えるし、狙いやすい。ポコポコ入ったのも当然なのだという。

アイアンの切れが最高潮という。「切れてるときは無理にピンを狙ったりする必要はないんだ。ただ自然に構えて自然に打っていけばいい。方向とか距離かカンなんかも難しく考える必要がないし」

実は後半、けっこうナーバスになっていた。「みんなが難しい難しいといっているコース。実際難しいわけ。でも自分だけは難しくないと思ってる。そう思える気持ちを崩したくなかった。断ち切りたくなかった・・」

体調はあいかわらず良くない。「明日1日だけ。大丈夫。よほどコケない限り18ホールは回れます。タンカで運ばれない限り18ホール回ることぐらいやります」 自分に言い聞かせるように言った。「ゴルフってのは追っかけるより逃げる方がやさしいんだから・・」

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1999年 日本プロゴルフ選手権



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