「見たか!」岩田寛がまさかの“ガッツポーズ返し” ポイント1位で欧米ツアー挑戦へ
◇国内男子◇ドラッグストア・コスモスカップ 最終日(4日)◇グランフィールズCC(静岡)◇7156yd(パー70)◇曇り(観衆3086人)
最終18番、しっかり切れる3mのスライスラインがカップに消える前から岩田寛は確信たっぷりに歩き出していた。パターを高々と掲げて歓声に応えるシンプルなリアクションと思いきや、ボールを拾い上げてから右こぶしを力強く握ってみせた。
「『見たか!』と。なんか、こみ上げてくるものがありました」。直前にバーディを決め、自身に並んでいた勝亦悠斗のガッツポーズが頭をよぎっていた。「『この野郎!』と思いましたよ。勝亦くんとキャディくんが(ガッツポーズを)やってなかったら、僕のバーディパットは入っていなかったかもしれない」。少し冗談めかした刺激的な言葉のチョイス。一緒に優勝争いを盛り上げてくれた後輩プレーヤーへ、岩田なりのアンサーだった。
5打差の首位で迎えた最終日は朝の練習場から不穏だった。「自分の調子が全然良くないのは、分かっていたので。ずっと『どうしよう…』と思いながら打ってました」。同じ最終組で回る勝亦のプレーを気にするより、強風とシビアなピン位置も相まっていっそう手ごわくなったコースで大きなミスをしないよう必死だった。
一時6打まで広がったリードは、サンデーバックナインでどんどん縮まっていく。ティショットを隣の10番のラフまで曲げた15番でダブルボギーをたたき、最難関17番(パー3)の3パットボギーでついに1打差まで迫られた。「でも、リードされたわけじゃないんで。もし追いつかれたら、そこからまた…って感じでした」
追い込まれながら、決して冷静さを失わなかったのはベテランの経験値。高低差が2mもあるグリーンの広いサイドを手堅く捉えた17番のティショットでヒントをつかめたことも大きかった。「きょうはずーっと、(インパクトで)合わせている感じがあった。合わせないように振ろうとすると力んだりするので、ちょうどいいところを探していました」。18番、残り115ydから厄介な右奥ピンを攻め込んだ58度のウェッジショットは17番からつながっている一打。オーバーパーをたたいた悔しさを優勝したうれしさの「7倍」と表現し、「情けない」と首を振った一日の最後に、少しだけ胸を張れるプレーができた。
今季国内ツアー複数回Vの一番乗りを果たし、年間ポイントレースで細野勇策と315.125pt差の2位に浮上した。11月「ダンロップフェニックス」終了時点のランク1位なら挑戦できる米ツアー予選会のファイナルステージ(12月10日~/フロリダ州TPCソーグラス・ダイズバレーコース、ソーグラスCC)、年間王者に付与される見込みの来季欧州ツアー(DPワールドツアー)出場資格について、「いろいろ思うことはあります。単純にうまくなりたいっていうことと、海外でやりたい。ただ、それだけです」と明言。46歳のシーズンは新天地で戦うことを思い描いている。(静岡県三島市/亀山泰宏)