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“弱気”なキャプテン古川龍之介が単独トップ

◇日本アマチュア選手権 3日目(30日)◇広島カンツリー倶楽部八本松コース(広島)◇7229yd(パー72)

前週の「全国大学ゴルフ対抗戦」のこと。パワーを武器に、林の中から豪快なショットでチャンスにつける選手を見たら弱音だって吐きたくなった。「自分が丁寧なゴルフをやっている意味って、あるのかな…」。ポツリとこぼした古川龍之介が、今週は自分のプレースタイルをつらぬいて単独首位に躍り出た。

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日大ゴルフ部キャプテンの4年生。出場選手には同じ大学の仲間が16人、主将としていいところを見せたい気持ちは「相当、あります」と笑う。対抗戦では東北福祉大、大阪学院大に敗れて3位で終了。自分がチームに貢献できなかった後悔もあって、弱気な発言が口をつく。

そんなキャプテンに活を入れたのが、1年後輩の出利葉太一郎。「飛ばし屋はコースを縫っていく球は打てない。龍之介さんには、龍之介さんにしか打てない球がある」。飛ばしを武器にする出利葉だからこそのアドバイスは、落ち込んだキャプテンの胸に刺さった。

ドライバーの平均飛距離はキャリーで270ydだが、ショットの正確性と戦略性の高さを武器に戦ってきた。「自分のプレーをつらぬくべきだ」と気を取り直して臨んだ「日本アマ」。首位と2打差2位で予選通過を果たすと、3日目は「66」をマークして通算12アンダーで単独トップに立った。

11番(パー3)では、人生初のホールインワンというオマケ付き。177ydの打ち下ろしホールで、風はアゲンスト。7Iのティショットは、カップの横で止まってワンテンポ遅れて転がり落ちた。「ジャストタッチ。気持ち良く打てました」と自分の武器を証明できた一日だった。

後続には、出利葉をはじめ前田光史朗ら部活の仲間も控えている。「あしたはコースと戦うつもりで。通算18アンダーを目標に、逃げ切りたい」。最後までキャプテンの堂々とした戦う姿を見せつけたい。(広島県東広島市/谷口愛純)

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