今年で史上最多となる52回目の「マスターズ」出場を果たしたゲーリー・プレーヤーが、最終ホールとなる18番グリーンに歩いてくると、グリーンを取り囲んだ満場のパトロン達は一斉に立ち上がって温かなスタンディング・オベーションを送り続けた。

「生きている限り、忘れることはないだろう。それはすべての方向から、いつまでもいつまでも鳴り続けた」とプレーヤーは振り返る。「しかし、それはどのホールでも同じだった。36ホールすべてで、私はスタンディング・オベーションで迎えられた。私は多くの素晴らしい愛情を受けたことを知りながら、墓に入ることだろう」と、会見で涙を流した。

過去3度のグリーンジャケットを獲得し、ジャック・二クラス、アーノルド・パーマーらと共に一時代を築いたプレーヤーは、今後はチャンピオンズツアーを中心に、年間8～10試合に出場予定で、さらにはゴルフ場設計や、南アフリカの黒人ジュニアゴルファーの育成、中国、ヨーロッパ、アメリカなど必要とされる国々で、恵まれない子供達へのゴルフ普及に尽力するつもりだという。「退屈することはないだろう。私は、とてもとても忙しい」と話すプレーヤー。「マスターズ」を退いても、ゴルフ界での存在感はまだまだ薄れることはないだろう。