吉田優利が初優勝 連覇狙った安田祐香は4位/日本女子アマ
うれし涙の吉田優利「逃げそうになるのを戦い抜けた」
◇日本女子アマチュア選手権 最終日(22日)◇嵐山CC (埼玉県)◇6646yd(パー72)
宮里藍、宮里美香、諸見里しのぶ、比嘉真美子…。そうそうたる顔ぶれが並ぶ「日本女子アマ」の歴代優勝者に、千葉・麗澤高3年の吉田優利がその名を刻んだ。「自分で自分がすごいと思う」と、18歳の新チャンピオンは目を輝かせた。
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3日目を終えて1打差の首位。最終日も序盤に2バーディを先行させたが、後半に10番、12番とボギーをたたいて「すごく緊張し始めた」と、同組で回る上野菜々子(東海大付属大阪仰星高3年)に首位の座に明け渡した。
逃げそうになる心との戦いだった。「“この試合に負けても次がある”とか、“これで死ぬわけじゃない”とか…。でも、そういう自分と向き合っていかないといけないと思って、すごく苦しかった」という。弱気な自分とそれを叱咤(しった)するもう一人の自分がいた。
13番で上野が6mのパーパットを沈めてねばり、吉田も1mを沈めて食らいついた。続く14番(パー5)は、先に3打目を打った上野がピンそば40センチにつけるナイスショット。「ここでバーディを獲らないと負けると思った」という勝負の一打。吉田は残り106ydを52度のウェッジで内側の10センチにピタリとつけた。
17番で5mのバーディパットを沈めて1打リード。最終18番で上野のバーディパットがカップをすり抜けるのを見て、ようやく「勝ったんだ…」と安堵した。
高校1年でナショナルチーム入りを果たしているが、昨年はなかなか海外派遣試合の代表に選ばれなかった。悔しい思いを抱えながら必死になって上を目指した。ナショナルチームのヘッドコーチ、ガース・ジョーンズ氏には、マネジメントやラウンドメモの書き方を教わって、「ゴルフ頭脳のレベルが上がった」と実感する。
ホールアウト後にあふれたのは「いままで悔しい思いをたくさんしたけど、それが一気に報われた気持ちがした」という、うれし涙だ。「楽な方に逃げそうになるのを、戦い抜けたのが一番うれしい」と泣いた後には笑顔を見せた。
海外挑戦も視野に入れるが、「まずは日本でプロになって、賞金女王になりたい」と、第60代の日本女子アマチャンピオンは将来に思いをはせた。(埼玉県嵐山町/今岡涼太)