ウィレットが優勝 ラーム2位 宮里51位
2019年 BMW PGA選手権
期間:09/19〜09/22 場所:ウェントワースGC(イングランド)
素晴らしきウィレットのウェントワースでの勝利
平常心を保ったダニー・ウィレットが劇的な最終ラウンドの末にジョン・ラームを下して「BMW PGA選手権」を制覇し、「ロレックスシリーズ」2勝目を挙げた。
2人はウェントワースを舞台に、2日目終了後から一騎打ちを繰り広げ、ヨーロピアンツアーの旗艦大会で大勢のギャラリーを前に、週末を通してスリリングなバトルを披露した。
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日曜のラウンドでは、序盤に2バーディを奪ったウィレットが2打差の首位に抜け出すも、勝負の気運が秋の空模様のような気まぐれさを見せるなか、ラームからプレッシャーをかけられたが、最終的には「67」をマークして通算20アンダーとして、3打差で勝利した。
通算16アンダーの3位には南アフリカのクリスティアン・ベゾイデンハウトが入り、1打後方の4位タイにはビリー・ホーシェルとパトリック・リードの米国人コンビが入った。
前年大会で予選落ちしたウィレットは、2016年の「マスターズ」優勝以降に陥った心身両面のスランプが続き、公式世界ゴルフランキングを462位まで落とした。
その6カ月後の「DPワールドツアー選手権」で「ロレックスシリーズ」初制覇を果たしてカムバックを遂げたウィレットは、今回の優勝で世界ランキングをトップ40圏内に戻した。
ウィレットによる「ロレックスシリーズ」の複数回優勝は、ラーム、アレックス・ノレン、そしてジャスティン・ローズに続く4人目の快挙となり、同じく「BMW PGA選手権」と「マスターズ」の両方を制覇した選手はこれで8人目となった。
「これ以上のことがあるかい?」とウィレット。「エモーショナルな週だった」と続けた。
「今日は他の誰かというよりは、自分自身との良いバトルとなり、それを戦い抜くことができて良かった」
「僕は復活へ向け、朽ちることのない望みを持ち続けた。変えるべきところは何であれ変えようと思ったけれど、それはかなり難しいことだと思う。上手く行くかどうか分からないことに、アクセル全開で取り組むのは難しいからね」
「僕はそれを全力でやることができたし、僕の周りには正しい人々がいたんだ。僕らが取り組んだすべての労力が前進させてくれた」
ウィレットは2番で7.5mのバーディパットを沈めると、3番ではピンそば3.6mにつけるショットからバーディを奪い、2打差のリードを築く見事なスタートを切った。
ラームは続くパー5の3番で2パットのバーディを奪ってリードを縮めるも、ウィレットは8番で池越えのショットを1.2mにピタリとつけ、再び2打差をつけてハーフターンした。
10番ではウィレットが見事なティショットを放ってプレッシャーをかけるも、世界6位のラームは5.4mのバーディパットをねじ込んで応戦。ウィレットもバーディで続いて2打差を堅持した。
ウィレットはティショットを大きく右に曲げた11番でトラブルに陥り、2打目をヘザーに、3打目をバンカーに入れながらも、12mのボギーパットをねじ込んで首位の座を死守した。
ラームはパー5の12番でチップショットが寄らずにボギーをたたくも、続く13番ではピン側1.8mにつけて、その差を1ストロークに戻した。
しかしながら14番では、ラームがティショットをバンカーに入れ、そこからの寄せワンに失敗したことで、再び2人の差は2ストロークに広がった。
17番では両者ともにグリーン手前からの寄せワンでバーディを奪い、最終ホールではラームが2打目を池に入れながらパーをセーブしたのに対し、ウィレットは2パットのバーディで優勝を飾った。
「嘘はつかないよ。これは痛い。刺すように痛い」とラーム。「13番までは1週間ずっと良いプレーができていたけれど、それからはアイアンショットでピンに寄せることができず、幾つか愚かなミスをしてしまった。あれが何故起こったのか原因を見つけ出さなければならないし、それに尽きる」
ベゾイデンハウトは5バーディ、1ボギーの「68」をマークし、子供の頃にこの大会をテレビで見て育ったホーシェルは、4番でチップインイーグルを奪うなど、初めてのウェントワースで今週2度目の「65」をマークした。
リードはノーボギーの「66」で同胞と並んで大会を終え、更に2打差の6位タイにはスペインのラファ・カブレラベローとスコットランドのリッチー・ラムゼイが入った。
通算12アンダーの8位には地元のヒーロー、ジャスティン・ローズが入り、1打差で世界2位のロリー・マキロイとイングランドのアンドリュー・ジョンストンが続いた。