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2019年シーズン名言集/欧州ツアー
2019/12/10 13:38
面白く、機知に富んでおり、時として腹立たしい。2019年、我々が耳にしてきた数々の言葉。思い出深い上半期名言も加筆再掲し、2019年の「レース・トゥ・ドバイ」で飛び出した名言とともに、ヨーロピアンツアーの今シーズンを振り返ってみよう。
「プレステではペブルビーチで『49』をたたき出したことがある」 ―マーカス・キンハルト
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スウェーデンのキンハルトは今年の「全米オープン」で米国の地で開催されるメジャーに初めて出場したが、経験豊富な他の選手たちに対して秘密のアドバンテージを持っていた。
23歳の彼はコンピューターゲームで、カリフォルニアの高名なリンクスコースで日頃からプレーしており、自己ベストが「49」(これは驚くべき22アンダー)である事実を明かした。
キンハルトは初めて出場したペブルビーチでの大会で、32位タイとなかなかの健闘を見せた。プレステがあれば練習ラウンドは要らない?
「ロッカーからクラブを持ってくることさえできなかった。僕はクラブを放ったらかしにした。僕はただホテルへ帰って泣いていた」―アンドリュー・“ビーフ”・ジョンストン
これはこれまでで、ヨーロピアンツアーの選手ブログで打ち明けられた事実のなかで最も重い事案の一つで、“ビーフ”は精神面の健康に問題を抱えていたことと、専門家の助けによりゴルフへの愛を再発見し始めたことについて綴ったのである。
この1週間後、このイングランド人選手は「アバディーンスタンダードインベストメント スコットランドオープン」でヨーロピアンツアーにおける自己ベストスコアとなる「62」をたたき出して4位タイに入り、「全英オープン」の出場権を獲得したのである。
最終日のラウンド後、彼は涙を流して正直に感情を表した。
「僕のゴールはヨーロピアンツアーでプレーすることであり、恥じることなくプレーして、全てに打ち克ちたい」 「僕のゴールはヨーロピアンツアーでプレーすることであり、恥じることなくプレーして、全てに打ち克ちたい」―アデム・ワビ
今年のヨーロピアンツアーでEDGAのパートナーシップを得て初めて障がいのあるゴルファーの大会が導入された後、脳性まひの一種である痙直型両まひを患うベルギーのワビは、ソーシャルメディアに彼のストーリーを感動的な動画で語った。
「ベルギーノックアウト」のエキシビション大会と「EDGAスコットランドオープン」に出場し、動画の中で自身の体調と将来の目標について明かした。
「良い弾道だ…ただ25yd左にズレたのは残念」―ティレル・ハットン
「ブリティッシュマスターズ」の大会中、グリーンを外した際に見せたハットンのリアクションは、瞬く間にネット上で拡散した。ツアー3勝のハットンのような思いをしたことのある人もいるのでは?
「僕は2歳のとき、殺鼠剤を飲むという不慮の事故に見舞われた。コーラだと思って飲んだのだけど、違っていたんだ。あの瞬間は、僕の人生を永遠に変えた」―クリスティアン・ベゾイデンハウト
「コマーシャルバンクカタールマスターズ」を前に行ったインタビューにて、南アフリカのベゾイデンハウトは、幼児の頃の事故により4歳から発症した吃音による悩みとの格闘について語った。
この話を打ち明けた後、25歳は「アンダルシアマスターズ」でツアー初優勝を果たした。
「ゴルフにおいて僕の犯した最大の過ちは、自分の成功を正当に評価しなかったこと。僕は成功と敗北をほぼ同様に扱っていた」―マルティン・カイマー
「全米オープン」直前に、我々はメジャー2勝のカイマーと膝を突き合わせ、彼にこれまでのキャリアやゴルフに対する精神的なアプローチ、そして最近の生活について語ってもらった。
「10歳の頃、僕は練習中にタイガーに勝つパットを打つ場面を想像していた。今日、彼とプレーできて最高だった」―ルーカス・ビェルレガード
「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」にて、準々決勝でタイガー・ウッズを1アップで下したビェルレガードは、ゴルフ界のヘッドラインを飾った。
28歳のビェルレガードは、子供の頃から一緒にプレーするのを夢見てきた選手を倒したことで、当然有頂天になった。
「バックナインでは、あまりの応援の大きさにより、僕は4度も涙をこらえなければならなかった」―ロリー・マキロイ
今年の「全英オープン」はマキロイの大会とはならなかったが、第2ラウンドにて、彼が歩を進める度に大声援を送った地元ギャラリーの前で「65」をマークした後、この北アイルランド人選手は至極当然のことながら、感情的になった。
「あの2つのダブルボギーで僕は新たに何人かのファンを獲得したと思う」―フランチェスコ・モリナリ
モリナリを一言で表現するとしたらどんな言葉になるだろうか。我々は“謙虚”が良いのではないかと思う。
2018年の年間最優秀ゴルファーは、今年の「マスターズ」にて最終日のバトルでタイガーに敗れたが、そんな苦痛を伴う出来事も彼はおろそかにすることはなかった。勝つにせよ負けるにせよ、あらゆる点で真のチャンピオンである。
「また来年もプロをやっつけられるかですって?それは来年のお楽しみよ!」―スーザン・ハソンク
「KLMオープン」の100周年を祝うイベントの一環として、かくしゃくとした100歳のスーザン・ハソンクさんが“プロをやっつけろ”コンテストに参加した。
ハソンクさんは30年前、70歳になってからゴルフを始めたのだが、彼女はザ・インターナショナルの13番ホールにて、ヨーロピアンツアーのトッププロとの勝負に挑み、長寿大会の特別な1週間を大いに盛り上げた。
「自分がドン底にいたとき、ゴルフを上手くなろうとは考えなかった。家族のためにより良き人間であろうと考えた。妻や双子の娘たちにとって良い人間でありたかった。とにかく、彼女たちと人生を楽しみたいと思っていたので、今この場にいられるのはボーナスみたいなものなんだ」―リカルド・カールベリ
スウェーデンのカールベリは、選手ブログのなかで今年現場復帰するまでの18ヶ月間、感染症と鬱病に苛まれた難しい時期に関する内情を初めて明かした。
その後、カールベリはQスクールで重要なパットを決め、翌シーズンのツアーのシード権を確保した。
「妻か3番ウッド(のどちらが大切か)?それは簡単な質問だ。3番ウッドだよ」―ヘンリック・ステンソン
単純な質問と強烈な回答。ヘンリックを愛さずにいられようか。
「僕にとって、あれは人生で最高のショットの一つだった。特別なショットだったね」―ジョン・ラーム
スペインのラームが初めてセントアンドリュースのオールドコースにティアップした時のコメントである。
ラームは今年初めて出場した「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」でスコットランドの高名なコースでプレーし、大会中は父エドルタとプロアマイベントを戦った。
「全てを出し尽くした」―ジャスティン・ウォルターズ
2019年シーズンのレギュラーイベント最終戦となった「ポルトガルマスターズ」にて、ヨーロピアンツアー2020年シーズンのシード権を確定させたウォルターズが感極まって発した一言である。
この南アフリカ人選手は、その週の前半に選手ブログにて、深刻な怪我と父親の死を乗り越えるのに苦闘したことを明かしていた。
「家族に不自由させないよう身を立てることができたことを誇りに思う」―トミー・フリートウッド
フリートウッドがキンハルトとのプレーオフを制した「ネッドバンクゴルフチャレンジ」で勝者の輪に返り咲いた際の感想である。
この「ロレックスシリーズ」での勝利により、このイングランド人選手は665日ぶりの勝利を収めたばかりでなく、250万ドルの優勝賞金も手にした。
この達成に対する28歳の反応は、ツアーきっての人気者かつ地道な選手であるという彼の評判にピッタリだった。
「(歴代のスペイン出身の名選手たちに先んじて)自分が年間王者として名前を刻むことができたのは、信じられないことだね」―ジョン・ラーム
場面はシーズン最終戦「DPワールドツアー選手権」が開催されたドバイ。劇的な最終日のバトルを繰り広げ、「レース・トゥ・ドバイ」制覇を遂げた際のラームの言葉である。
彼は、故セベ・バレステロス以来となる2人目のスペイン人年間王者となったことを告げられると、当然のことながら、感極まったのである。
この名言集の締めとして相応しい言葉は、2019年「レース・トゥ・ドバイ」王者の言葉をおいて他にあるまい。