チャック全開も…愛すべきビッグレフティ/海外ゴルフ回顧録
なんて素敵なこと 欧州ツアー歴代年少V記録
2020/04/22 07:00
イタリアのティーンエイジャー 17歳188日
欧州ツアー史上最年少優勝記録を保持しているマッテオ・マナッセロが4月19日に27歳の誕生日を迎えた。今回は10代で勝利を挙げて旋風を巻き起こした選手たちを振り返る。
マナッセロはわずか17歳にして見事4打差で2010年「カスティーヨ・マスターズ」を制覇し、歴史にその名を刻んだ。最終日を首位から2打差で出たマナッセロだったが、若きイタリア人選手は3番で3.6mのバーディパットを決めてその差を半分に減らすと、パー3の6番では12mのバーディパットをねじ込んだ。
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7番でボギーをたたき、1アンダーでハーフターンしたが、その後チャージをかけ、13番からの3連続バーディで1打差の首位に浮上した。最終的にマナッセロは最終ラウンドを4アンダーの「67」。通算16アンダーまでスコアを伸ばして17歳188日で初優勝を飾った。
イタリアのティーンエイジャーは、この勝利の前から既に輝かしい実績を残していた。2009年に16歳で「全英アマチュア選手権」を制覇し、同大会の最年少優勝記録を更新。また、ターンベリーで開催された「全英オープン」ではローアマチュアとしてシルバーメダルを獲得し、「マスターズ」では最年少予選通過記録を塗り替えた。
これ以上は想像できない 17歳363日
18歳の誕生日の2日前に、マナッセロは2011年「メイバンク・マレーシアオープン」を制覇した。
この週は荒天により、上位陣は最終日に27ホールをプレーする劇的な展開となる中、当初はロリー・マキロイ(北アイルランド)が主導権を握ったかに見えたが、第3ラウンドを終えた時点でマナッセロとアレックス・ノレン(スウェーデン)がマキロイを抜き去った。
最終ラウンドに入り、最初に動きを見せたのはグレゴリー・ボーディ(フランス)で、彼はラウンド中盤の2ホールで犯したミスをリカバリーし、通算15アンダーのクラブハウスターゲットを定めた。しかし、勢いに乗るマナッセロは2番でバーディを奪うと、10番ではチップインでイーグルを奪ってボーディを捉え首位タイに浮上した。
彼はその直後のホールで単独首位に浮上すると、12番ではボギーを叩くも、14番で下りの3mを沈めてバーディを奪い、再度先頭に立った。その後は欧州ツアー2勝目へ向けて安定したゴルフでパーを重ねた。
「これ以上のことは想像できません。自宅へ帰って、18歳の誕生日と欧州ツアー2勝目を祝えるのですから」と当時、世界ゴルフランキングを33位に上げた彼は述べた。
なんて素敵なこと 18歳213日
18歳213日で当時のツアー最年少優勝記録を作ったダニー・リー(ニュージーランド)は欧州ツアー史上2人目のアマチュア王者となった。
2009年「ジョニーウォーカークラシック」(オーストラリア・ザ・バインズリゾート&CC)の最終日最終ホールでバーディを奪って、スコアを5アンダーの「67」。通算17アンダーでロス・マクゴーワン(イングランド)、藤田寛之、フェリペ・アギラー(チリ)に1打差をつけて大会を制覇した。
ニュージーランド出身のリーは首位と2打差でスタートすると、最初の12ホールを3バーディ、2ボギーでプレーして優勝争いに踏み止まり、13番と14番で連続バーディを奪って優勝戦線に顔を出した。その後、16番で3.6mのパットをねじ込む大きなパーセーブを見せると、17番と18番で連続バーディを奪って初優勝を遂げた。
「優勝を夢見てはいましたが、目標は2ラウンドして予選を通過し、トップ20あるいはトップ10入りすることでした。欧州ツアーで優勝するなんて、自分はなんて素敵なことをやり遂げたのだと思います」
韓国生まれのリーは、その直後にプロへ転向。2015年の米ツアー「ザ・グリーンブライアークラシック」で優勝するなど、世界ランキングではこれまでの最高順位を34位としている。
イーグルでV 18歳271日
ツアー出場わずか5大会目にして、ラスムス・ホイゴーは2019年「アフラシアバンク・モーリシャスオープン」でツアー初優勝。18歳271日だった。21世紀生まれの選手として、初めてQスクールからの欧州ツアー昇格を果たし、シーズン2戦目のモーリシャスで初優勝を果たした。
「68」をマークした最終日もアグレッシブな姿勢を貫き、18番で360ydのビッグドライブをバーディにつなげて、3人のプレーオフにたどりついた。プレーオフでもその戦術を持ち続け、最初の2ホールを連続してバーディとすると、3ホール目では2打目を1m以内につけ、イーグルパットを決めて頂点に立った。
ホイゴーはこの勝利により、欧州ツアーで最速優勝を果たしたデンマーク人選手となった。それまでは出場24大会目で初優勝を果たした2018年「ライダーカップ」欧州代表キャプテンのトーマス・ビヨーンが記録を持っていた。