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筋金入りのスニーカーコレクター 29歳イタリア人選手の考え
空港で入国を止められた欧州ツアー選手第1号
今週の選手ブログは競技ゴルフへの復帰に備える29歳のフランチェスコ・ラポルタ(イタリア)の報告をお届けする。
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僕はイタリア南部のサンドメニコに住んでいて、自宅に広大なスペースがあったので、ロックダウン中はかなり恵まれた環境にいた。庭にはネットが張れたし、ジムにはトレーニングに必要な全ての物が揃っていたので、残りのシーズンへ向け、練習しつつ、身体の状態を万全に保つことができた。
ロックダウンの間、自宅でトリックショットを練習しながら時間を過ごすのは楽しかったし、トリックの中にはそんなに時間がかからず、20分かそこらで習得できるものもあったので、僕は運良くコツをつかんだようだ。
幸いにも、僕らはもう2週間前からコースに復帰しており、今は先週発表された新スケジュールで行われる欧州ツアーへの復帰を楽しみにしている。当初、5月中旬から下旬にかけて、コースはメンバーのみの少人数を対象に、日にち限定でオープンしていたのだけれど、6月からはメンバー向けに毎日オープンしている。
ここ数カ月の間に、世界の様相はだいぶ変わってしまった。今年、僕はマスカットの「オマーンオープン」に出場した後、3月に入って「カタールマスターズ」の開催されるドーハへ移動したけれど、空港へ到着したところで、入国を止められてしまったんだ。この時点で、新型コロナウイルスのため、政府はイタリア国民や、その他いくつかの国籍の人々の入国を止めていた。あれはまともな状況ではなかったね。
僕は新型コロナウイルスのため空港で入国を止められた欧州ツアーの選手第1号であり、おそらく、イタリア人スポーツ選手としても初めてだったと思う。僕はウイルスに関する症状を発しておらず、検温も済ませ、何ら問題なかったのだけれど、「申し訳ないが、貴方はイタリアから来たので、14日間の隔離を受け入れない限り入国は認められない」と言われたので、自宅へ引き返したんだ。僕はケニヤやインドの大会に出られなくなるのではと心配したのだけど、どのみち延期となったので関係なくなったんだ。
そこから全てが変わった。もし、去年誰かから、2、3カ月のロックダウンが発生し、数カ月はゴルフや旅行ができなくなる、と言われていたら、君はまともじゃないねと言っていただろうけれど、それがまたたく間に現実の物になってしまった。今や、何でも起こり得る世界になってしまった。これは誰にとっても未知の経験であり、今、世界は随分違うものになった。スポーツ界、ビジネス、旅行など、全てにおいて、ワクチンが完成しない限り、世界を旅するのは簡単ではなくなった。
昨年は僕にとってプロとして最高の1年だった。チャレンジツアーでプレーした最後の2カ月は最高で、すべてがハマった感じだった。マジョルカで開催されたチャレンジツアー最終戦で勝利し、年間王者になったんだ。欧州ツアーでも何か特別なことをしてのける準備はできていたのだけど、全てが停止してしまったので、将来どうなるか、今は見守るのみだね。
僕はこの時間を休養に充てている。去年は6カ月間で2週間しか休みを取らず、チャレンジツアーから欧州ツアーの開幕へ向け、休む間がなかったので、これは自分の精神面を整え、フィジカルを調整する機会になっている。欧州ツアーの責任者、キース・ペリーは僕らのカテゴリーは2021年も保たれると言っていたので、自分がシード権を喪失しないと知って安心した。今は復帰後のプレーに備え、待つ時間なんだ。
ナイキのスニーカーは150足以上 家族は全員スニーカー関連の仕事
僕はネットフリックスで「ラストダンス」を観て、マイケル・ジョーダンの別の一面を知ったんだ。これは僕が今まで観たなかで最高のテレビシリーズだった。今や、誰もがジョーダンのスニーカーを欲しがっているし、値段は天井知らずだね。僕は筋金入りの靴コレクターで、ロックダウン中はかなり散財したんだ。というのも、先月は7、8足買ったからね。僕の家族は全員スニーカー関連の仕事をしているので、僕も自分の靴コレクションを始めようと思い立ったんだ。買う靴はナイキのみで、ゴルフシューズではなくストリートシューズだね。ナイキのスニーカーは150足以上持っているし、ジョーダンは25足持っているよ。
僕はジョーダンがバスケットボールをプレーしている姿を見たことがないし、彼の全てを知っているわけでもない。彼はバスケットボールを引退して野球へ転向し、その数年後にまたバスケへの復帰を果たしたよね。史上最高かどうかは別にして、彼が世界で最高のスポーツマンの一人であることは間違いないし、このシリーズでの彼は見る者に話しかけている様なんだ。全てのスポーツマンに対し、「君はもっとできる」と話しかけているかのようなんだよ。彼は世界最高になるために、常により多くを成し遂げるメンタリティを持っていた。スポーツマンの多くは、彼の言葉から多くを学べると思う。
僕は5年ほど前にゴルファーでスペインの英雄、セベ・バレステロスの映画を観て、自分のメンタリティが変わったんだ。映画を観たあと、僕は練習の仕方を変え、精神面での物事へのアプローチの仕方を変えたんだ。そういう風にインスパイアされると、ベストを尽くす上で自分はもっとできるんだということが分かるし、そういうことは往々にして起こるんだよ。これは、ゴルフ、バスケットボール、サッカー、ハンドボールと、どんなスポーツにも当てはまるんだ。他のアスリートが世界最高のプレーヤーとなるため、何を犠牲にしたかを理解することで、多くを学ぶことができる。
僕には南アフリカに住んでいる家族がいて、若い頃は多くの時間を南アフリカで過ごした。大学進学のため、16歳で引っ越したんだ。ゴルフのキャリアは、南アフリカでアカデミーへ入った時に本格的に始まった。僕はハンディキャプ10で入門し、スクラッチで卒業した。他の選手たちと一緒に練習することで多くを学んだね。イタリアではそこまで多くのジュニア選手がいないから、そうしたことはできないので、ほとんど自分一人で練習していた。
ライダーカップが2022年にイタリアで開催
僕はサンシャインツアーで2年プレーし、欧州ツアーのシード権を得たので、ヨーロッパへ戻ったんだ。夢はヨーロッパでプレーすることだったけれど、サンシャインツアーでの2年間で多くの経験を積むことができたし、南アフリカで過ごした時間は僕のキャリアの土台となったんだ。
イタリアには英国、フランス、それにスペインなんかと比べるとそこまで多くの選手はいないけれど、最近、イタリア勢の成績はすごいことになっている。昨年、アマとプロ、そして男女全てのレベルを通じて、僕らは47勝を挙げたんだ。イタリアには選手が9000人しかいないけれど、男女とも、素晴らしいアマチュア選手が出てきているね。
欧州ツアーではフランチェスコ・モリナリは驚異的な3年間を送ったし、大人数ではないけれど、僕らは勝者として実力を証明している。これは僕ら全員のモチベーションの源となっている。フランチェスコがメジャーで優勝し、2年に一度の米国選抜と欧州選抜の対抗戦「ライダーカップ」で大活躍したとき、自分たちにもできると信じ始めたんだ。
「ライダーカップ」が2022年にイタリアへやって来るね。ローマでの開催は重要なことであり、僕の国の選手にとって、この機会は刺激になる。イタリアゴルフ協会は、イタリアにおいて人々をゴルフに取り込む上で良い仕事をしているけれど、これは簡単なことではないんだ。人々はまだゴルフを高価なスポーツだと思っているけれど、もうそんなことはない。僕らは「ライダーカップ」の力を使って人々をゴルフに取り込み、誰でもこのスポーツをプレーできると言うことを見せなければならないね。