V. デュビッソンが独走!タイガーは6打差3位で最終日へ
2013年 トルコ航空オープン
期間:11/07〜11/10 場所:ザ・モンゴメリエ マックスロイヤル
未勝利のデュビッソンが冷静に首位キープ
レース・トゥ・ドバイで首位争いを繰り広げる選手たちや世界ランキング1位のタイガー・ウッズを寄せ付けない圧倒的な勢いを見せたビクター・デュビッソンは、「トルコ航空オープン」3日目を終え優勝へ向けて快進撃を続けている。
土曜日のラウンドを迎えるにあたってモンゴメリー・マックス・ロイヤルの衆目は、友人でありライバルであるイアン・ポールターとヘンリック・ステンソンの間で繰り広げられる来週のレース・トゥ・ドバイの王冠を狙うバトルと、彼らの背後から今大会の優勝を狙うタイガー・ウッズの素晴らしいパフォーマンスに注がれた。
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しかし、主役の座をさらったのはデュビッソンだった。彼はこの一週間お手本の様な堅実さを保ち、3日目はボギーなしの「63」を記録し通算21アンダーとして、今シーズンの54ホール通算ロースコア記録に並び、2位で彼を追うポールターと5打差をつけて首位を快走している。
大物達とのバトルを楽しむデュビッソンはいつも前向きで、何度か迎えたピンチも全てパーで凌ぎ切った。
デュビッソンは出だしから4ホール連続でバーディを奪う目を見張るパフォーマンスを披露すると、その後はパーの中にバーディが散在する展開となった。
そして終盤戦で再び波に乗った彼は、パー5の13番では林の中から完璧なショットを見せてバーディを獲った。
続く14番でもバーディを奪い、ステンソンとの差を2打に広げたデュビッソンは、更に自信を伺わせるプレーを披露した。
短いパー4の15番ではティショットをグリーンに乗せ、2パットでホールインして3連続バーディを奪った。
その後の2ホールはパーとして、多少熱気は削がれたようだったが、それでもデュビッソンは最終ホールでバーディを奪い完璧な形で締めくくった。
デュビッソンは、当然の事ながら、今日のラウンドがキャリアベストだと感じているようだ。「私は去年、セントアンドリューズで10アンダーのコースレコードを出しましたが、それは初日のことでした」と彼は語った。「しかし、状況を考えると、今日はプロになって最高の日になりました」。
ツアー未勝利のデュビッソンは、彼を追う顔ぶれをよく心得ており、今夜は寝付きの悪い夜になるかもしれないと認めた。
彼は「今はとても疲れているので寝入りは良いかもしれません。でも、ストレスを感じながらの睡眠になりそうです」と語った。
「優勝を意識すると自分にプレッシャーをかけ過ぎますから、優勝は意識しないようにします。でも、明日はイアン、タイガー、そしてヘンリックが良いスコアを出すのは分かっています。ですから同じ戦略で臨まないといけませんね」
「5打差をつけているのは承知していますが、こんなに多くの素晴らしいプレーヤーが相手ですから、明日はきっと接戦になりますよ」。
2位でデュビッソンを追うポールターは一日中殆ど波に乗れなかったが、他方でミスはたった一つしか無かった。
その結果ポールターは、パー5のホールを全てバーディとし、更にと8番のチップインでバーディを獲ったことで通算16アンダーとして明日の優勝を目指す準備は充分整った。
レース・トゥ・ドバイの制覇が現時点に於ける最高の功績であると考えているポールターは高みを見据えている。
ポールターは「もし達成できれば、それ(レース・トゥ・ドバイに勝つ事)は人生のハイライトになるね。だから明日は真剣勝負だよ」と述べた。
「つまり、この何週間かのラウンドでして来た様に、たくさんバーディを獲らなければならないということだね」
「明日は8、9アンダーでラウンドする必要があるだろうね。それがビクターへのプレッシャーになればいいし、後はどうなるか、という感じだね」
一方でステンソンは玉石混淆のラウンドとなった。
フェデックスカップの勝利を経て、大西洋の両側で最高の名誉を手にしようと試みるステンソンは、現在レース・トゥ・ドバイをリードしており、もしこの大会で優勝し、ポールターとジャスティン・ローズの両者が2位以内に入れなければ、レース・トゥ・ドバイの制覇が確定する。
ステンソンはラウンドの大半が苛立たしい展開となったが、まだ十分優勝に手の届く所にいる。
出だしの2ホールで連続バーディを奪ったステンソンだったが、その後の9ホールはパー8つとボギー1つと今ひとつ調子が上がらなかった。
しかし、13番から波に乗り出したステンソンはそこから3連続バーディを奪い、18番では残念なボギーを叩いてしまったものの、通算15アンダーでラファエル・ジャクリン、アレハンドロ・カニサレス、そしてウッズと並んだ。
ステンソンは彼の順位についてこう話した。
「デュビッソンはとても良いプレーをしている。ちょっとだけ独走状態になったね」
「でも2位争いは5、6人がひしめいているから接戦になっているね。明日はまだ優勝の希望も残っている。明日は力強くフィニッシュして、来週へと繋げたいね」
彼は現在負傷している手首について、「手首は休養と回復の時間を喉から手が出るほど欲しているんだけど、今はその時間がないんだ。だからどうにかこうにか乗り切ろうというところで、来週の大会に向けた準備も限られた物になるね」と語った。
ジャクリンは3度に亘る4連続バーディを奪うなど、今週のベストスコアでコースレコードも塗り替える驚くべき「62」で順位を急浮上させた。
出だしで4連続バーディを獲ったジャクリンは5番でダブルボギーを叩くも、再び8番と15番から4連続バーディを奪い、ヨーロピアンツアーの1ラウンドでのバーディ最多記録である12個に並んだ。
この日の大半で試練を強いられたウッズは、彼らしからぬまとまりのない18ホールとなった。
彼は始めの11ホールで3つスコアを伸ばし、後続を引き離そうと目論むデュビッソンを脅かした。
そかし、その後は12番、15番、そして16番でボギーを叩くなど、ウッズは18番へ向けて調子を落とす残念な結果となった。
とはいうものの、彼は18番のティショットを大きく左へ外してしまいながらも、OBを回避することに成功し、息を呑むバーディパットを決めて、しっかりと上位に残った。
一方、カニサレスはこれまでの「67」と「68」に続いて3日目は「66」をマークし優勝争いに残った。