C.リーが首位に並ぶ マキロイは4位に急浮上
2014年 アブダビHSBCゴルフ選手権
期間:01/16〜01/19 場所:アブダビGC(UAE)
カブレラベローとリーがスター選手の合間を縫って首位に
アブダビHSBCゴルフ選手権は2日目の白熱したラウンドを終え、クレイグ・リーとラファエル・カブレラベローが首位を分け合う形で折り返しを迎えた。
スコットランドのリーは初日の「68」に続き、2日目を「67」とし、通算9アンダーとして暫定首位でこの日のラウンドを終了した。昨年9月のオメガ・ヨーロピアン・マスターズでプレーオフの末にトーマス・ビヨーンに敗れた36歳のリーはヨーロピアンツアー初優勝を狙っている。
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「クリスマスにサンタが良いパットの打ち方を持ってきてくれたみたいだね」と語るリー。
「昨年末に、僕の兄弟が家の前庭に人工芝のパッティング・グリーンをこしらえてくれて、それ以来毎日パットの練習ができるようになったのでそれが物を言っているね。6x4メートルほどのグリーンなんだけれど、隣人たちはフェンス越しに覗き込んでいるよ」。
初日首位タイにつけたカブレラベローは、この日6つ目のバーディを奪った時点では10アンダーまでスコアを伸ばしたが、彼にとっての最終ホールとなった9番でボギーを叩いてしまった。
これにより、カブレラベローは2日目のラウンドを「68」としたが、それでもこのスペイン人選手は彼にとって今年始めの大会で素晴らしいプレーを見せ続けている。
「調子はいいね。パットも良いし、良いところにボールが打てており、フェアウェイを捉えられている。それだけに、良い手応えを掴んでいるんだ」とカブレラベロー。
「バッグに詰まった全てのクラブで思い通りのプレーができていることに、ただただ満足しているよ。今は文句のつけようがないね」。
猛チャージの末、優勝争いに殴り込みをかけたロリー・マキロイには、全英オープンの現王者フィル・ミケルソンより最上級の賛辞が贈られた。
後半を「31」でラウンドして2日目を「67」とし、首位からわずか2打差の通算7アンダーまでスコアを伸ばして大会を折り返したマキロイのゴルフを、同組のミケルソンは特等席で見ていたのだ。
「バックナインは本当に見事だった。9ホールにわたる美しいゴルフだったよ」と、これまで5度メジャーを制したミケルソンは舌を巻いた。ミケルソン自身は2日目を「70」でラウンドし、通算1アンダー。「彼は本当に良く打てている。プレーは冴え渡っているし、ドライバーのショットは非の打ち所がないよ」。
12ヶ月前の今大会での出来とは別人のようなパフォーマンスで周囲を魅了したマキロイ。彼は1年前、この大会で初日から2日続けて「75」を叩いて予選落ちの憂き目を見たのである。
「去年は最終グリーンから降りてきたとき、ごく控えめに言ってもしょげ返っていたからね」と明かしたマキロイは、乱高下した2013年シーズンを耐え忍んだ末、最終盤となった12月のオーストリア・オープンで13年の初勝利を飾った。
大晦日にシドニーでガールフレンドのキャロライン・ヴォズニアッキと婚約した24歳のマキロイは、深いラフからのリカバリーショットを強いられたシーンについて、テニス選手たちとつるみ過ぎたからだと、冗談めかして語った。
これは、この日数少ないドライバーのミスからダブルボギーを叩いた6番ホールでの第2打目についてのことなのだが、この点を除けばマキロイは自身のロングゲームに満足しているようだ。
「(オーバードライブして)皆の30ヤード前に立っているのは良い心持ちがするものさ」と、かつて世界1位に上り詰めたマキロイは述べた。「ドライバーが自信を持って振れていれば、ゲーム運びをする上でのプレッシャーが随分と軽減されるものなんだ」。
「バックナインでは幾つかのパットが良い方に転がってくれて入ったのが良かったね。優勝する大きなチャンスが巡ってきた気がするよ」。
「その年の最後で優勝するより、年明け最初の大会で優勝する方が良いからね。まさしくそういうスタートが切りたかったんだ。プレッシャーの掛かった状況で自分のプレーを試すにはもってこいの状況だね。1年の初めに良いスタートが切れれば、すごく弾みがつくからね」。
2日目を「67」でラウンドしたビヨーンもまた通算7アンダーとしてカブレラベローとリーから2打後方につけた1人だが、それについてリーは「このまま2人で一騎打ちとなって、またプレーオフで決着を着けるのは望むところだよ」と語った。
この日のベストラウンドを記録したのはイングランドのダニー・ウィレットだった。初日に見せた盛り返しの勢いが続く彼は2日目を7バーディ、1イーグルの「63」でラウンドし、通算スコアを8アンダーまで伸ばした。
ウィレットは木曜日、10ホールを終えた時点で5オーバーに沈んでいたのだが、残りの8ホールを4アンダーで回っている。これでウィレットはここ26ホールを13アンダーで回っていることになる。
「正直に言うと、別段変わったことをやったわけではないんだ」とウィレット。「ただ、ここでは2、3ヤードフェアウェイを外してライが悪いと、それだけでグリーンを狙うのが難しくなってしまうこともあるんだよ」。
「今日は良いプレーができた。ピンに寄せられたし、もっとフェアウェイにも打てたし、パットも入ってくれたね。(イーグルを奪った)8番では50ヤードをウェッジで沈めたのだけれど、あれが大きかった。ここ20ホールは1ホールおきに調子がいいね」。
アルゼンチンのリカルド・ゴンサレスは2日目を「66」でラウンドし、ビヨーンとマキロイに並んでいる。一方、ライダーカップでキャプテンを務めるポール・マッギンリーと同組のトミー・フリートウッドは、そのチャンスを最大限に活用した。しかしながら、フリートウッドはボギーなしの「65」というパフォーマンスを見せながらも、キャプテンと同組と言う恩恵にフルには授からなかったかもしれない。
と言うのも、マッギンリーはフリートウッドと同様にナイキと契約を結ぶトービヨン・オルセンとも同組であり、フリートウッドとオルセンの二人が殆ど同じ格好で現れた為、マッギンリーは混乱していたと言うわけだ。
「彼(マッギンリー)はずっと、『ナイスショットだけどどっちが打ったのか分からんな』と言い続けていましたね」と冗談混じりに語ったフリートウッド。彼はライダーカップの選考が始まる4日前に、そのライダーカップの開催地となるグレンイーグルスで行われたジョニー・ウォーカー選手権を制したほか、先週のボルボ・ゴルフ・チャンピオンズでは3位に入っている。
「彼は適当に名前を呼び続け、僕らは『違う違う、ポール、あれはもう一人の方だよ』という感じでしたよ」。
「彼とは昨年オランダで一緒にプレーしたのですが、その2日間は台無しにしてしまいましたので、ようやくしっかりとしたゴルフが見せられて良かったです」。
「ライダーカップでプレーするのはヨーロッパの全てのゴルファーにとって夢ですし、毎年テレビで観戦していると、あそこへ行って誰かと戦いたいと、そう触発されるんです」。
「(ライダーカップは)世界最高のスポーツイベントですよ。ただ、今はまだ、頭の片隅にだけ留めて置くようにしていますけれどね」。