カムバックの王者マクドウェルがまたしても鮮やかに逆転
2014年 WGC アクセンチュアマッチプレー選手権
期間:02/19〜02/23 場所:リッツカールトンGC(米国)
マクドウェル、終盤の逆転劇により次戦はメイハンとの再戦が実現
「WGCアクセンチュア・マッチプレー選手権」2日目は、グレーム・マクドウェルが2日連続となる終盤での逆転劇で勝利を収め、ベスト16進出を決めた。そのベスト16では、2010年の「ライダーカップ」でマクドウェルが対戦し、欧州チームの勝利を決定付けたハンター・メイハンとの再戦が実現した。
ボルボ世界マッチプレー王者のマクドウェルは、初日にゲーリー・ウッドランドと対戦した際、残り3ホールで3ダウンとしながらも、そこから4ホールを連取し、今日の松山英樹との2回戦に漕ぎ着けた。
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かつての「全米オープン」覇者であるマクドウェルは、今日も松山を相手に6ホールを終えた時点で3ダウンと先行を許す展開となり、このまま家路に着かざるを得ないかに見えた。
しかし、北アイルランドのマクドウェルは7番と8番でバーディを奪い、その差を1ダウンまで詰め、その後、14番で再度差を広げられ、残り4ホールで2ダウンという展開になった。
「ライダーカップ」のスター選手であるマクドウェルは、15番で長いバーディパットを沈めて望みを繋ぐと、17番では素晴らしいショットを見せて松山を捕らえ、最終18番で3メートルのパットを沈めて勝利を手にした。
試合後、マクドウェルは「難しいやり方が上手く行っているのだから、簡単なやり方でやることもないだろう?」と、皮肉めかして語った。
「またしてもスロースタートとなってしまった。今日は多分、昨日ほどではなかったけれど。3番を引き分けられたのが良かった。あれで、3ホールを終えて3ダウンではなく、2ダウンに抑えることができたからね」。
「今日は自分のゲームプランに徹し、彼に余裕を与えないよう心掛けた。ミスをせず、彼に付け込む隙を与えないようにね。そうしたら、彼も同じようなゴルフで応戦してきたんだ。彼は非常に良いプレーをした」。
「僕は15番と16番で大きなパットを決めた。特に望みを繋いだ16番のパットはデカかったね」。
「今日もツキがあったと思う。ここ二日は自分の持てる全ての物を注ぎ込んでいるけれど、幸いにもまだシーズン序盤だから、燃料タンクはまだまだ余裕があるんだ」。
準々決勝進出を懸けメイハンと再戦することについてマクドウェルは、「何ともいえないけれど、明日、彼が雪辱を晴らそうという意気込みでやってくることは十分に考えられる。ただ、もう、随分前のことだし、2010年から結構な月日が流れているからね」。
「彼はクオリティの高い選手だし、ここでの成績も良いから、タフな相手になるだろうね」。
「ここ数日で良い練習が積めたような気がするから、明日は良い戦いができると思うよ」。
マクドウェルの友人にして同胞のロリー・マキロイにとっては良き日とはならなかった。マキロイは19ホールにわたる戦いの末、米国のハリス・イングリッシュに敗れている。
世界7位のマキロイは、このダブマウンテンでの2日目の対戦では、バックナインの中盤で5ホール中4ホールを奪取するなど有利に試合を運び、16番を終えた時点で1アップとしてそのまま勝利を手にするかに見えた。
しかし、マキロイと同じくかつて世界ナンバーワンまで上り詰めたリー・ウェストウッドを初戦で破ったイングリッシュは17番を獲って勝負をサドンデスまで持ち込むことに成功した。
その延長1ホール目で、ミスしたティショットからのリカバリーに失敗するなど、マキロイの手元に狂いが生じた。
ティショットを大きく左へ曲げたマキロイは、2打目を茂みと木の間にある砂地へ出すのがやっとだった。そして、3打目は大きくグリーンをオーバーしてしまったのである。
この勝負は、ミスにより勝敗が決したホールが殆どないレベルの高い対戦だっただけに、この終局はいささか残念ではあった。
好調の波に乗る南アフリカのジョージ・クッツェーは、素晴らしいティショットを放った延長3ホール目でパトリック・リードを退け、3回戦でオーストラリアのワールドカップ勝者であるジェイソン・デイと対戦することになった。
ボビー・ジョーンズ・ブロックでは、クッツェーの同胞にしてかつての全英王者であるルイ・ウーストハイゼンが欧州ナンバーワンのヘンリック・ステンソンを退け、金曜に行われるウェブ・シンプソンとの3回戦に駒を進めている。
このステンソンの敗退により、トップシードの選手はここ5年連続して3回戦進出を逃す結果になった。
スペインのセルヒオ・ガルシアはビル・ハースに3&1での逆転勝利を果たした。2番と7番を獲られたガルシアは、8番からの5ホール中3ホールを奪って逆転に成功。「ライダーカップ」のスター選手であるガルシアは13番を奪われ、勝負は一旦オールスクウェアとなるも、14番ではバーディ、16番ではパーでそれぞれのホールを奪い、残り2ホールで2アップと見事な盛り返しを見せた。
17番でバーディを奪って勝負を決めたガルシアは、3回戦で、米国PGAツアーで波に乗る選手の一人であるジミー・ウォーカーを1アップで退けた米国のリッキー・ファウラーと対戦する。
「楽しかったね」とガルシア。「前にも言ったように、僕らはハードに戦った」。
「お互い、相手を凌駕すべく全力を尽くした。今日は幸運にも僕の方がちょっとだけ上回っていたんだ」。
この日一番の接戦を演じたのはアーニー・エルスとジャスティン・ローズで、エルスは勝利を収めるのに延長2ホールでの連続バーディを必要とした。
序盤は4ホールを終えて2アップとしたエルスが優勢に試合を進めるも、16番で全米王者のローズがガードバンカーからのパーセーブに成功すると、ローズはこのラウンドで全くバーディを奪っていなかったにもかかわらず、1アップと逆転する展開に。
しかし、続く17番ではローズがグリーンを捕え損なったのに対し、エルスはしっかりパーをセーブし、試合を振り出しに戻すと、最終ホールでは両者共にグリーンを捕えられない中、両者共にパーセーブに成功し、勝負の行方はサドンデスへと持ち越されることになった。
延長1ホール目では、両者共にピンそば2.5メートル以内に寄せる素晴らしい第2打を見せ、共にバーディパットを決めて、勝負はロングホールの延長2ホール目へ。ここでローズがガードバンカーからの脱出に2打を要してパーとしたのに対し、エルスは1メートルのバーディパットを難なく決めて、翌日のジェイソン・ダフナーとの3回戦に駒を進めたのである。
世界ゴルフ選手権のデビュー戦で引き続き見事な戦いを見せているフランスのビクター・デュビッソンは3&1でピーター・ハンソンを退け、3回戦で、17番の茂みでボールを失くしたスウェーデンのジョナス・ブリクストを破ったかつての「マスターズ」王者であるバッバ・ワトソンと対戦する。
これで6人のヨーロピアンツアーのメンバーがベスト16進出を果たした。3回戦ではヨーロピアンツアー勢同士の対戦はないので、6人全員が土曜の準々決勝へと駒を進める可能性を残している。