45歳ジェイディー、逃げ切りで通算7勝目
2015年 ポルシェ ヨーロピアンオープン
期間:09/24〜09/27 場所:バートグリースバッハゴルフリゾート(ドイツ)
ジェイディーが堂々のツアー7勝目を達成
ドイツで開催された「ポルシェヨーロピアンオープン」最終日をノーボギーでラウンドしたトンチャイ・ジェイディーが欧州ツアー7勝目を達成した。
1打差の首位でスタートしたタイのスター選手は、華々しいというよりは手堅いプレーで最終日を4アンダーの「67」とし、後続の追撃を振り切った。
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グレーム・ストームは最大の脅威となるも、17番のティショットがウォーターハザードに捕まり、最終ホールでは3メートルのパーパットを沈めはしたものの、ジェイディーが18番で見事なパーセーブをしたことにより勝負は決した。
「私にとって特別な週となりました」とジェイディー。「アジアの外で勝ったのは、これが3回目ですので、とても興奮していますし、この大会で勝利できて嬉しいですね」。
「今は自信に満ちあふれています。今週はあまりミスをしませんでした。1週間を通じてボギーは一つだけでしたね。とても良いプレーができましたし、通算17アンダーは私にとってすごいスコアなのです」
「このゴルフコースは気に入りました。距離はそこまで長くないですが、インプレーにとどめなくてはなりません」
「グレーム・ストームもとても良いプレーをしました。上がり3ホールはとてもエキサイティングでしたね。18番はタフで、フェアウェイを外すことはできません。左へ打たざるを得ませんでしたが、最後は良いチップショットと良いパットが決まり、勝つことができました」
ジェイディーはこの日、ゴルフリゾートバートグリースバッハのパー5で3つのバーディを奪うなど、4バーディ、ノーボギーで通算17アンダーまでスコアを伸ばし、1打差でストームに競り勝った。
「レース・トゥ・ドバイ」のランキングを127位として今週を迎えたイングランド出身のストームも最終日を「67」でラウンドし、2位に入ったことにより来季のシード権を確保した。3位には最終日を「69」でラウンドしたスウェーデンのペレ・エドバーグが入った。
ストーム、そしてスウェーデンのマグヌス・カールソンとデンマークのソレン・ケルドセンのスカンジナビア勢が良いスタートを切ったこともあり、ジェイディーは一時4人で首位を分け合うも、ロングホールの3番で短いバーディパットを沈めて再び単独首位に抜け出した。
ジェイディーは8番でも3メートルのバーディパットを沈めてその差を2ストロークに広げたが、ストームも9番と10番で連続バーディを奪って応戦し、勝負は一騎打ちの様相を呈した。
ストームはパー5の12番でバーディを奪うも、すぐ後ろの組でプレーするジェイディーも同ホールをバーディとし、両者互いに譲らず勝負は終盤へ突入した。
15番ではストームがすばらしい2打目からバーディを奪ったが、ここでも45歳のジェイディーが同じくバーディで応戦し、ストームがパー3の17番でウォーターハザードに捕まって今週初ボギーを叩いたのに対し、ジェイディーは上がり3ホールをパーとして優勝をたぐり寄せた。
2007年以来となる欧州ツアーでの勝利を逃したとは言え、ストームは今週の出来に満足の様子を見せた。
「とても嬉しいね」とストーム。「去年のスイスみたいな形で2位に終わったのは残念だけど、これでシード権を確保し、来年もまたプレーできるからね」。
「今週のスタート、そして今日のスタートでもそれが主要事項だった。あといくつかパットを決めてタイトルを我がものとすることができたかもしれないけれど、トンチャイを祝福するよ。彼は最終ホールで見事なパーセーブを見せたからね」
「今日はプレッシャーのかかる中、すばらしいプレーができたと思う。僕はナーバスになっていたんだ」
「昨日は良いプレーができないながらも踏み止まったけど、今日は最高のプレーをしながらもいくつかチャンスを逃してしまった。勝てない運命だったんだね」
「最終ホールのチップショットは重要だったね。17番に続いてボギーは叩きたくなかった。僕があそこで(パーパットを)外すと、ペレが僕との差を1打差に縮めて18番を迎えるのは分かっていたからね。単独2位で終えるのが何よりも重要で、これでQスクールではなく『レース・トゥ・ドバイ』のファイナルシリーズへの出場を楽しみにすることができるね」
「出し抜けに出場権を手にできたので、信じられない心持ちだよ」
この勝利により、元パラシュート部隊員だったジェイディーは「レース・トゥ・ドバイ」のトップ10入りを果たすこととなり、世界ランキングでもトップ30に手の届くところまできた。今季は同胞のキラデク・アフィバーンラトが中国と「サルタイア ポール・ローリーマッチプレー」で勝利を飾っており、今回のジェイディーの勝利により、今季は欧州ツアー史上初めてタイ人ゴルファーが同一シーズンに3勝を挙げたシーズンとなった。