マキロイが4打差4位に浮上 首位はA.サリバン
2015年 DPワールド ツアー選手権 ドバイ
期間:11/19〜11/22 場所:ジュメイラ・ゴルフエステーツ(UAE)
最終戦で今季3勝のサリバンが奪首
「DPワールドツアー選手権」は2日目を終え、連日の「66」をマークしたアンディ・サリバンが単独首位に躍り出た。一方、ロリー・マキロイは「レース・トゥ・ドバイ」制覇へ向け、着実に歩を進めている。
イングランド出身のサリバンは今季ヨーロピアンツアーで唯一3勝を挙げている選手であり、この日は6つのバーディを奪う快心のゴルフでエミリアーノ・グリージョに1打差をつけ、シーズン4勝目へ向けて突き進んでいる。
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アルゼンチン出身のグリージョはノーボギーの「64」と、見事なゴルフを展開してリーダーボードを駆け上がり、サリバンが18番でこの日3つ目のロングパットを決めて通算12アンダーとするまでは、首位タイで3日目を迎えるかに見えた。
この長いバーディパットを決めたことで、グリーンを取り囲んだサリバンの大応援団は大いに沸いたわけだが、単独首位に立ったサリバンは地元から駆けつけた人々の応援に感謝の意を示した。
「とても素敵だね。これだけ大きな大会の折り返しで首位に立ったんだ。驚きだよね」とサリバン。「自分のファンの前でできたことが嬉しいんだ。だから週末も彼らを楽しませるよ」。
「彼らの後押しはかなり大きいし、たぶん今週僕が良いプレーをできている鍵となっているね。というのも、彼らはつねに後押ししていてくれたんだ。たとえミスショットを打ったり、物事が好ましくない方向へ行きかけたりしても、アドレナリンは駆け巡り続けるから(あの声援は)本当に最高だよ」。
「彼らは今年6、7回大会へ来てくれているのだけど、彼らがいると僕はいつも好成績を残しているんだ。だから、これからは毎週彼らが来てくれるよう、僕が彼らの旅費を払わないといけないね」。
「週末は大勢の手強い選手たちが僕を追うことになるし、彼らが僕に向かってくるのは承知している」。
「僕にとってはきょうやったことをあしたもやるだけだし、忍耐強く自分のゴルフをして、他の選手のことは気にしないようにするよ」。
「フロントナインは長いパットは決まらなかったけれど、とても良い出来だと思ったよ。そうしたら12番で上りの長いパットが決まったんだ。そこからパットが絶好調になって、ほとんどすべてのパットが入るようになったんだよ」。
「ああいうことが起こると良い心持ちになるよね。週末はおそらくああはいかないことは承知しているけれど、とにかく自分を律して、パターが好調にならないようだったら、できる限り良いショットを打とうとトライするだけだよ」。
通算9アンダーの単独3位にはパトリック・リードがつけており、その1打後方には2日連続で「68」をマークした「レース・トゥ・ドバイ」首位のマキロイが続いている。彼は首位から4打差と射程圏につけているが、それと等しく重要なのは、年間ランキングで2位につけているダニー・ウィレットに2打差をつけていることである。
グリージョと同組でプレーしたマキロイは、欧州ナンバーワンの座を懸けてウィレットと抜きつ抜かれつの状態にあったが、バックナインに入ってライバルに先んじた。
今週をわずか1613ポイント(約21万円)差で迎えた2人は、ともに前半を「35」でラウンドし、10番でもともにバーディを奪って並走状態が続いた。しかし、マキロイが13番と15番でバーディを奪ったのに対し、ウィレットは15番こそ同じくバーディを奪ったものの、続く16番でボギーを叩き、マキロイの後塵を拝する格好となった。
サリバンが今季4勝目を目指す一方、グリージョはヨーロピアンツアーでは未勝利ながら、最近の米PGAツアーとウェブドットコムツアーでの勝利が大いに励みとなっている。
「あれで大いに自信がつきましたね」とグリージョ。「米国で勝つのは簡単なことではないですから。どこにも簡単な所はありません。幸運にも2連勝を飾ることができ、あれで自信も2倍増になりましたね」。
「この大会はメジャーみたいなものです。世界最高の選手が集まっていますし、上位につけるには本当に良いプレーをしなければなりません」。
「去年ここでプレーしたときはコースがしっくり来ませんでしたが、今年は何かが変わったようです。とても良い感じでボールが打てていますし、自分のプレーにはとても満足していますので、あと2日間、これが持続できればと思っています」。
10月に「ポルトガルマスターズ」を制したサリバンだったが、ファイナルシリーズ開幕当初は決して好調だったわけではない。しかし「BMWマスターズ」で力強い締めくくりを見せた彼は、再び勢いを取り戻した。
この日最初に動きを見せたのはキラデク・アフィバーンラトだった。彼は1番でボギーを叩くも、上がり4ホールで3つのバーディを奪うなど2日目最初の「65」をマークし、通算6アンダーで前日首位の4人に並んだ。
しかし前半を「32」でラウンドし、最終ホールでバーディを奪って同じく2日目を「65」でラウンドしたベルント・ウィスベルガーが通算7アンダーとして、すぐさまアフィバーンラトをかわした。
上位陣がこの日のラウンドをスタートすると、まず動きを見せたのはサリバンで、1番で2打目をピンそば1メートル以内に寄せてバーディ。パー5の7番でも同様のプレーで通算8アンダーまでスコアを伸ばした。
上がり5ホールで4つのバーディを奪い、この日を「65」で回ったシャール・シュワルツェルをサリバンはとらえたが、14番でバーディを奪ったトンチャイ・ジェイディーが頭一つ抜け出す展開となった。
しかし9月の「ポルシェ ヨーロピアンオープン」を制して以来、3度のトップ15入りを果たしているタイのジェイディーは、16番でボギーを叩いて再び通算8アンダーに後退した。
前週の上海ではプレーオフの末敗れるなど、直近の3大会すべてでトップ10入りを果たしているリードは、上がり6ホールで5バーディとシュワルツェルを上回る勢いを見せ、クラブハウスターゲットを通算9アンダーとした。
1日を通して着実にスコアを伸ばしたグリージョは前半を「33」で終えると、10番、13番、そして15番でバーディを奪ってリードに並んだ。終盤の16番でバーディを奪ったグリージョは今週初めて二桁アンダーに達した選手となると、最終ホールでもバーディを奪って通算11アンダーまでスコアを伸ばすことに成功した。
グリージョによるこの日の「64」は、今週これまでのベストスコアとなったが、サリバンも負けじと食い下がり、前半2つのバーディは見事なショットから奪ったものだったが、後半はパットでバーディを重ねた。28歳の彼は12番で10メートルのバーディパットを沈めると、14番では6メートルのパット沈めてバーディを奪ったのである。
彼を取り巻く大応援団の興奮も次第に高まり、15番でそれまでの4ホールで3つ目となるバーディを奪ったことでサリバンは首位のグリージョをとらえた。
16番と17番ではバーディチャンスをふいにしたサリバンだったが、18番でフリンジからのロングパットを叩き込んでバーディを奪ったことにより、サリバンは単独首位で週末を迎えることとなった。
3日目は最終組のサリバンとグリージョの一つ前の組でプレーすることになるリードは、最近の惜敗は尾を引いていないと強調した。
「ゴルフはいろいろなことで気がそれたり、煩わされたりしてはいけない競技だからね」とリード。
「しっかりと勝ち切れることもあれば、勝利を逃すことだってあるんだよ。良いショットを打っても悪い弾み方をすることもあれば、悪いショットが良い弾み方をすることもある」。
「そうやって考えて割り切り、前へ進まないとね。それに関して、自分は良くできていると思うし、くよくよしないという部分に関してはかなり成長したと思うよ」。
「レース・トゥ・ドバイ」制覇のチャンスを残すジャスティン・ローズは、上がり5ホールで4バーディを奪うチャージを見せ、2日目を「66」として好位置につけて週末を迎えることとなった。
イングランド出身の彼は、前半を「35」とするも、バックナインでの6バーディが物を言い、通算7アンダーとして「66」で回ったアレックス・ノレン、「69」で回ったブランデン・グレース、そしてウィスベルガーらと並ぶ7位タイにつけている。
今季10度目のトップ10入りを狙うマシュー・フィッツパトリックも2日目を「69」でラウンドして7位タイのグループにつけており、サリバンと同組でプレーしたマルティン・カイマーもこのグループにつけている。
グレースは「レース・トゥ・ドバイ」制覇の可能性を残す7選手の一人であり、彼の他ではアン・ビョンフンが通算6アンダーの13位タイにつけている。ルイ・ウーストハイゼンはその3打後方、そしてシェーン・ローリーは1オーバーで週末を迎えることとなった。
マーカス・フレイザー、ティレル・ハットン、フランチェスコ・モリナリ、トーマス・ピータース、そしてクリス・ウッドも、アン、アフィバーンラト、そしてウィレットらと同じく、週末は通算6アンダーからのジャンプアップを期することになった。