年間王者が決まる最終戦 マキロイは大逆転で欧米ダブル戴冠なるか
2016年 DPワールド ツアー選手権 ドバイ
期間:11/17〜11/20 場所:ジュメイラ・ゴルフエステーツ(UAE)
DPワールドツアー選手権の知っておくべきアラカルト
今週は「レース・トゥ・ドバイ」のクライマックスへ向け、60人の選手たちがジュメイラゴルフエステーツへと集結する。そんなシーズン最終戦の開幕を直前に控え、europeantour.comでは、「DPワールドツアー選手権」で鍵を握るデータを紐解いてみた。
■2015年大会を振り返る
2015年、ロリー・マキロイはキャリア2度目となる「DPワールドツアー選手権」と「レース・トゥ・ドバイ」の同時制覇、“ドバイダブル”を達成した。
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北アイルランドのマキロイにとって、欧州ナンバーワンの称号を手にしたのはこれが3度目で、2012年に初めて“ドバイダブル”を達成したマキロイは、ヘンリック・ステンソンがシーズン最終戦の「DPワールドツアー選手権」を制した2014年にも年間王者に輝いている。
「レース・トゥ・ドバイ」で首位争いを繰り広げたダニー・ウィレットが追い上げを図るなか、メジャー4勝のマキロイは、アースコースでの最終日にアンディ・サリバンとの熾烈なバトルを強いられた。
11番から5ホールで4バーディを奪って首位に立ったマキロイは、その後、ウォーターハザードに捕まった17番でボギーを叩くも、最終日「66」をマークし、通算21アンダーとして1打差でサリバンを退けたのである。
シーズン開幕戦の「ネッドバンクゴルフチャレンジ」を制し、14週にわたりランキング首位を維持したウィレットだったが、その後、春に入って調子を上げたマキロイがトップの座につくと、結局そのままゴールテープを切った。昨季、年間ランキングでトップの座についたのはこの2人のみだった。
イングランドのウィレットは上がり3ホールで連続ボギーを叩いて通算13アンダーの4位タイで大会を終え、通算15アンダーの単独3位には、最終日に「67」をマークしたブランデン・グレースが入った。
この結果、グレースは「レース・トゥ・ドバイ」の最終順位をマキロイ、ウィレットに次ぐ3位に上げ、サリバンは15位にジャンプアップしてボーナスプールの分配にありついた。
■2016年大会のフィールド
今年、60人が出場するシーズン最終戦で「レース・トゥ・ドバイ」制覇の可能性を残しているのは4人。
現在「レース・トゥ・ドバイ」で首位を走るのは「全英オープン」王者のヘンリック・ステンソンで、それを2位で「マスターズ」王者のダニー・ウィレットが追走している。3位には「ネッドバンクゴルフチャレンジ」を制し、シーズン4勝目を挙げたアレックス・ノレンがつけており、4位につけるディフェンディングチャンピオンのロリー・マキロイも年間王者の可能性を残しているが、彼が4度目の欧州王者に輝くには勝利が必須となっている。
今季から新たに、トップ10でシーズンを終えた選手たちに対し追加で500万ドルのボーナスプールが分配されることになったため、ティレル・ハットン、ブランデン・グレース、ラファ・カブレラベロー、ルイ・ウーストハイゼン、クリス・ウッド、そしてトービヨーン・オルセンといった現在トップ10圏内につける選手たちは、その座を死守すべく、大会へ臨むことになる。
更にランキング下方には、今季のサー・ヘンリー・コットン年間最優秀新人賞に最も近い位置につけるワン・ジョンフンが名を連ねている。フィールドには、同じく新人賞を狙う李昊桐、イ・スミン、ブランドン・ストーン、そしてリカルド・ゴウベイアといった面々も顔を揃えており、ワンは過去にマルティン・カイマー、セルヒオ・ガルシア、そしてイアン・ポールターらが受賞した「レース・トゥ・ドバイ」ランキング最上位のルーキーに贈られる賞を目指し、ドバイでプレーすることになる。
■コース
アースコースは、1,119ヘクタールの緑地が広がるジュメイラゴルフエステーツに造成された2コースの一つであり、2009年以降「DPワールドツアー選手権」の開催コースとなっている。
グレッグ・ノーマン設計の全長7675ヤードのコースは、欧州や北米を代表するパークランド型コースにインスパイアされた造りになっている。
パー72のアースコースは、転がりの良いフェアウェイと見事な白砂のバンカー、そして木々や灌木で縁取られた赤褐色の大地が織り成す背景が特徴的なコースである。
合計99個のバンカーに、バラエティーに富んだ池と、ハザードには事欠かない。特に、上がり4ホールには全てウォーターハザードが絡んでおり、18番ホールを縦断するクリークが劇的なフィナーレを演出する。
■トリビア
-出場する60選手の国籍は22カ国に上る。その内訳は、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、チリ、中国、デンマーク、イングランド、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、北アイルランド、ポルトガル、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、タイ、米国、ウェールズ。
- フィールドには、2016年シーズンのヨーロピアンツアーで優勝した24人が含まれ、トップ10につける選手で今季勝利を果たしたのは9人に上る。トップ10につけながら、唯一今季未勝利なのは現在7位のラファ・カブレラベロー。
- 今回出場する60人中、ヨーロピアンツアーの優勝経験者は51人、欧州ナンバーワンを経験したのは5人、そしてメジャー王者は7人となっている。
- 出場選手の中で、2016年シーズンのヨーロピアンツアーで複数回優勝しているのは、4勝のアレックス・ノレン、そしてそれぞれ2勝挙げているシャール・シュワルツェル、ヘンリック・ステンソン、ワン・ジョンフン、ダニー・ウィレットの5人。
- 出場60選手中、今季最多トップ5入りはロリー・マキロイの7回。最多トップ10入りは、ティレル・ハットン、ユースト・ラウテン、マキロイ、そしてヘンリック・ステンソンの9回となっている。
- 2015年のヨーロピアンツアーQスクール上がりでシーズン最終戦へ辿り着いたのは、マシュー・サウスゲート唯一人。
- 2015年のチャレンジツアー上がりで最終戦に到達したのはナチョ・エルビラ、リカルド・ゴウベイア、そしてブランドン・ストーンの3人。
- 今回、大会デビューを果たすのはリチャード・ブランド、ホルヘ・カンピージョ、ナチョ・エルビラ、リカルド・ゴウベイア、アンドリュー・ジョンストン、ヨアキム・ラガーグレン、イ・スミン、李昊桐、レナート・パラトーレ、マシュー・サウスゲート、ブランドン・ストーン、そしてワン・ジョンフンの12人。尚、43歳で大会デビューとなったリチャード・ブランドは、大会最年長デビュー記録を更新した。