タイガー・ウッズは世界ランク何位から復帰する?
2016年 アルフレッド・ダンヒル選手権
期間:12/01〜12/04 場所:レオパルドクリークCC(南アフリカ)
アルフレッド・ダンヒル選手権の知っておくべきアラカルト
2017年シーズンの「レース・トゥ・ドバイ」は、壮観なレパードクリークCCを舞台に開催される「アルフレッド・ダンヒル選手権」と、その数時間前にスタートする「オーストラリアPGA選手権」の同時開催で幕を開ける。
1年前を振り返る
1年前はシャール・シュワルツェルが4度目の「アルフレッド・ダンヒル選手権」制覇を果たし、レパードクリークCCの帝王としての座を不動のものとした。2005年、13年、14年、そして16年に同大会を制しているシュワルツェルは、過去に11回の出場で8度トップ2入りを果たしており、同大会のこれまでの合算スコアを通算122アンダーとしている。
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彼は昨年、同大会を制したことにより、欧州ツアーの同一大会を4回制した初の南アフリカ人選手となった。当時31歳だったシュワルツェルはこの大会で欧州ツアー通算10勝目を果たしたことで、2002年に「ドバイデザートクラシック」を制して南アフリカ人選手としての欧州ツアーにおける最年少二桁優勝記録を打ち立てたアーニー・エルスの記録を1年ほど更新した。この二人以外で、欧州ツアーで10勝以上した南アフリカ人選手はレティーフ・グーセンのみである。
一口サイズの大会史
サンシャインツアーとの共同開催となる「アルフレッド・ダンヒル選手権」は、2000年にヨハネスブルグのホートンGCで第1回大会が開催された。この大会は、その5年前に初めて欧州ツアーとサンシャインツアーが共同開催した「南アフリカPGA選手権」に代わって開催される形となった。
2000年大会はアンソニー・ウォールが制し、今ミレニアム最初の優勝者となった。その後、大会は04年にレパードクリークCCへと舞台を移し、12月開催に変更された。
大会4勝のシュワルツェルはその年に最初の勝利を挙げ、以来、12年間で南アフリカ勢が8度の優勝を占めている。その間、優勝した地元勢は、シュワルツェルに加え、アーニー・エルス、リチャード・スターン、ガース・ムルロイ、ブランデン・グレースといった顔ぶれになっている。
2016年大会のフィールド
2011年の「マスターズ」王者であるシュワルツェルは、欧州ツアーの同一大会で5勝以上を挙げた4人目の選手となるべく、連覇に挑む。これまで欧州ツアーの同一大会で5勝以上を記録しているのは、ベルンハルト・ランガー、トム・ワトソン、タイガー・ウッズの3人のみである。
シュワルツェルの連覇阻止に挑むのは、同じくメジャー王者であり、2016年の「ライダーカップ」で欧州代表のキャプテンを務めたダレン・クラーク、現在世界ランキングで南アフリカ人トップのブランデン・グレース、そしてグレースらの同胞で、2016年はそれぞれ「ヨハネスブルグオープン」と「BMW南アフリカ選手権」を制し、欧州ツアー初優勝を遂げたヘイデン・ポルテウスとブランドン・ストーンといった面々となっている。
また、「アルフレッド・ダンヒル選手権」は、チャレンジツアーからの昇格を果たした選手や、Qスクール王者のネイサン・キムゼイらQスクール上がりの選手たちにとっては、新しい夜明けとなる大会である。
コース
南アフリカの生ける伝説であるゲーリー・プレーヤーにより設計されたレパードクリークCCは、ムプランガ州のクルーガー国立公園南端に位置しており、欧州ツアーの開催コースで、最も壮観なコースの一つであることに疑いの余地はない。
傍を流れるクロコダイル川は、その名の通り、あの恐るべき爬虫類の見物スポットであり、コース内、境を接するクルーガー公園では、カバ、アンテロープ、水牛、ゾウなども見ることができる。
13番ホール(505メートル、パー5)はレパードクリークでも最も特徴的なホールの一つであり、グリーンの横を流れるクロコダイル川越しには、壮観なクルーガー公園の眺望が開けている。
アイランドグリーンの18番(パー5)、そしてクロコダイル川から突き出た半島型グリーンの9番(パー4)は多くのドラマを生み出す。
1996年に開場した同コースは、木々、灌木、そして芝地に地元の地勢を盛り込んだレイアウトとなっている。コースには、大きな池、岩場を流れるクリーク、緩やかに流れ落ちる滝など、多くのウォーターハザードが散見される。
しかし、何と言っても、「アルフレッド・ダンヒル選手権」を欧州ツアーで特別な位置づけにしているのは、数々の動物たちである。各ホールのティに鎮座するヒョウの銅像も注目に値する。
トリビア
・この大会は、多くのツアー初優勝者を生み出してきた歴史を持っている。2000年の第1回大会以降、この大会では8人の選手たちが欧州ツアー初制覇を果たしている。その8人とは、アンソニー・ウォール(2000年)、アダム・スコット(2001年)、ジャスティン・ローズ(2002年)、マーク・フォスター(2003年)、マルセル・シーム(2004年)、シャール・シュワルツェル(2005年)、アルバロ・キロス(2007年)、そしてガース・ムルロイ(2011年11月)である。
・ディフェンディングチャンピオンのシャール・シュワルツェルは、欧州ツアーの同一大会で5勝以上を挙げた4人目の選手となるべく、連覇に挑む。彼は今大会で優勝すれば、タイガー・ウッズ(「WGCブリヂストンインビテーショナル」を8度、「WGCメキシコ選手権」を7度制覇)、トム・ワトソン(「全英オープン」を5度制覇)、そしてベルンハルト・ランガー(「ドイツオープン」を5度制覇)の仲間入りを果たすことになる。
・2003年大会は、欧州ツアー史上2回目となる6人によるプレーオフで勝者が決まった。このときはマーク・フォスターが、アンダース・ハンセン、トレバー・イメルマン、ポール・ローリー、ダグ・マッギガン、そしてブラッドフォード・ボーンを退けて優勝を飾った。欧州ツアーで初めて6人によるプレーオフが行われたのは、1990年の「ビノベルデアトランティックオープン」だ。
・2007年大会では、欧州ツアーの歴史に新たな1ページが書き加えられた。この年、2006年にQスクールからの昇格を果たしたアルバロ・キロスが史上初めて、フルメンバーとしてのデビュー戦で優勝を果たす快挙を達成したのである。