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2016年を振り返る:ヘンリック・ステンソン編

「すばらしい一年だった。僕のキャリアで最高の一年だったね」。

過去12ヶ月間に渡り、世界中のゴルフファンは“アイスマン”の異名を取るスウェーデンのヘンリック・ステンソンの才能を存分に堪能した。

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今なお2016年シーズンの「レース・トゥ・ドバイ」王者に対する称賛は止まないわけだが、今年がステンソンの年だったと言い切っても過言ではないだろう。

ステンソンは先ず、6月の「BMWインターナショナルオープン」で勝利の美酒を味わうと、それから1ヶ月と経たないうちに第145回「全英オープン」を制覇した。その後、オリンピックで銀メダルを獲得したステンソンは、シーズン最終盤の3戦で連続してトップ10入りを果たし、キャリア2度目の「レース・トゥ・ドバイ」制覇を果たすと、2016年ヨーロピアンツアー年間最優秀選手に選出された。

多くのデータでトップに君臨したステンソンは、ヨーロピアンツアーで最も安定していた選手の一人であり、2016年シーズンはトップ10入りを10度果たし、これには2度の優勝も含まれ、ヨーロピアンツアーでの通算勝利数を11回に伸ばした。

40歳のステンソンは平均ストロークでキャリアベストとなる69.14を記録し、ツアー1位となったほか、平均飛距離こそ、これまでより少し落ちたとはいえ、フェアウェイキープ率とパーオン率の両方で2位に入った。

今度は自分の番だと思った

ロイヤルトゥルーンで開催された第145回「全英オープン」は、ゴルフ界最高峰の選手2人による稀に見る最終日の名勝負が繰り広げられ、歴史に残る大会となった。

ステンソンは試合後、「今度は自分の番だと思った。そうは言っても、何も確約されているわけではないから、すばらしいプレーをしなければならなかったのだけど、自分自身を信頼し、すばらしい仕事をすることができたよ」と述べた。

米国のフィル・ミケルソンに1打差をつけて最終日を迎えたステンソンは、細部にわたり完璧なゴルフを展開し、最終ホールでバーディを奪ってこの日のスコアを「63」とし、通算20アンダーとして米国のライバルに3打差をつけて優勝したのである。

スウェーデン人男子選手として初めてメジャー王者となったステンソンは、「全英オープン」史上最少通算スコア、そして勝者による最終日の最少スコアなど、多くの記録を塗り替えた。

彼による最終日の「63」は(ミケルソンも木曜日に「63」をマーク)、1ラウンドでのメジャー最少に並ぶスコアであり、トータル「264」はメジャー史上最少スコアとなった。

「プレッシャーは感じていた。長い間、スウェーデン人選手は何度か惜しいところまで行きながら(メジャータイトルを)獲り逃してきたからね。これまで多くの選手たちが挑んできたけれど、僕がスウェーデンのため、そして過去に挑んできた選手たちのために念願を果たすことができて嬉しいよ」と述べたステンソンは、「最高のひと時だね」と加えた。

「フィルと何日もバトルし、今日もできる限りのプレーをしようと闘ってきたわけで、18番から下りてきて、全てが終わったと分かったときは心底ほっとしたよ。嬉しいけれど、まだ実感は湧かないね」。

クラレットジャグの獲得に加え、その数週間前の「BMWインターナショナルオープン」での優勝で大幅に勢いを加速させたステンソンは、シーズンの残り半分も、その壮観なプレー振りを持続させるよう決意を固めた。

銀色の輝き

リオデジャネイロでスウェーデンを代表してプレーする誇りを胸に、ステンソンはキャリア初となるオリンピック男子ゴルフ競技で銀メダルを獲得した。

世界中のファンが、112年振りとなるゴルフの五輪復帰を見守るなか、ステンソンは世界の舞台で自国を代表してプレーすることを存分に楽しんだ。

なかんずく、良き友であり、「ライダーカップ」のチームメイトでもあるジャスティン・ローズとのバトルは、大会最大の話題となった。ローズを1打差で追う状況でブラジルでの最終日を迎えたステンソンは、首位タイとして18番ティに立つも、最終ホールをボギーとし、同ホールでバーディを奪ったローズに金メダルを譲った。

「優勝が狙える位置につけ、メダル争いがしたいと思っていたけれど、それはできたね」。

「自国を代表してプレーしたわけだけど、それは良くできたと思う。ジャスティンと金メダルを懸けて争う直接対決になれば良いなと思っていたんだけど、最後はそうなったね」。

「ライダーカップ」で善戦

欧州代表メンバーとして、4度目の「ライダーカップ」出場を果たしたステンソンは、シングルスでジョーダン・スピースを見事3&2で撃破するなど、ヘイゼルティンナショナルでチームに2ポイントをもたらすも、2008年以来の勝利を狙った米国代表の障壁とはなり得なかった。

「グレンイーグルスで彼にシングルスで敗れたのは悔しかったからね。あの週は、決して酷いプレーをしていたわけではなかったのだけど、そこまで多くのポイントを獲ることができなかったんだ。だから、今日は何としてもポイントを獲りたかったし、良いゴルフで、集中して自分のやるべきことはできたよ。自分の結果には満足だけど、チームとして負けたことには心が痛む」。

全ての道はドバイに通じる

ジュメイラゴルフエステーツでの最終日に見事なラウンドを見せたステンソンは、2度目の「レース・トゥ・ドバイ」制覇を果たし、ヨーロピアンツアーナンバーワンの称号を我が物とした。

2013年にも「レース・トゥ・ドバイ」を制覇したステンソンは、これで大陸ヨーロッパ出身の選手としては3人目、全体では12人目の複数回欧州ナンバーワンに輝いた選手となった。これまでは、セベ・バレステロスアーニー・エルス、サー・ニック・ファルドベルンハルト・ランガーロリー・マキロイ、そしてコリン・モンゴメリーらがこれを達成している。

「またこのトロフィーに自分の名前を刻むことができて嬉しいね」とステンソン。

「すばらしい一年だった。僕のキャリアで最高の一年だったね。常々、2013年を上回るのは難しいと考えてきたけれど、今年はそれを成し遂げることができたと思う。6ヶ月間は、僕のゴルフはそのレベルになかったかもしれないけれど、『全英オープン』制覇を筆頭に、オリンピック、そして『レース・トゥ・ドバイ』を制覇することができたわけだからね。すばらしい一年だったし、こうして締め括ることができて嬉しいよ」。

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