日本ツアー優勝経験者 E.モリナリが7季ぶりタイトル
2017年 ハッサンIIトロフィー
期間:04/13〜04/16 場所:ロイヤルゴルフ ダール・エス・サラム(モロッコ)
「ファンタスティック!」モリナリ兄がモロッコで復活
3日目首位のポール・ダンをプレーオフの末に退けたエドアルド・モリナリが「ハッサンIIトロフィー」を制覇し、2010年以来となる欧州ツアー制覇を成し遂げた。
36歳のモリナリは最終18番(パー5)でイーグルを奪い、通算9アンダーとして単独首位に躍り出るも、18番でバーディを奪ったダンがこれに追いつき、勝負はプレーオフへと持ち越された。
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しかし、プレーオフ1ホール目でダンが1.8メートルのパーパットを決め切れなかったのに対し、モリナリは60センチのパーパットを沈め、欧州ツアー3勝目を挙げた。
3位には最終日を4バーディ、1ボギーの「70」でラウンドし、通算8アンダーとしたイングランドのポール・ワーリングが入った。
首位のダンを4打差で追う状況で最終日をスタートしたモリナリは、出だしでいきなりボギーを叩き、さらなる劣勢を強いられるスタートとなった。
モリナリは2番と3番で連続バーディを奪って通算5アンダーとするも、続く4番で再びボギーを叩き、その後5ホールをパーとして「36」でバックナインへと折り返した。
バックナインに入り、がぜん追撃態勢に入ったモリナリは、11番でバーディを奪うと、12番ではトリッキーなイーグルパットをねじ込み、通算7アンダーとして2位タイに浮上した。
16番で今一度ボギーを叩いたモリナリはこの時点でダンと3打差となるも、17番で短いバーディパットを入れると、最終ホールでは6メートルのイーグルパットを沈め、一気に単独首位へと浮上した。その後、ダンが18番をバーディとしたことで、勝負はプレーオフへともつれ込んだ。
プレーオフ1ホール目は、両者ともに3打目でグリーンを捕らえられない展開となり、ダンはバンカーから1.8メートルへ寄せ、モリナリはグリーンエッジからパターで60センチへ寄せた。
すると、ダンがパーパットを外したのに対し、モリナリは残りの短い距離をしっかりと沈めてトロフィーを獲得した。
2010年にグレンイーグルスで「ジョニー・ウォーカー選手権」を制して以来勝利から遠ざかっていたモリナリは、「ファンタスティックだ。僕は怪我と不調でとても厳しい時期を過ごしてきたから」と述べた。
「今週勝てたことで悪い記憶の多くを消し去ることができたし、このままこの道を歩み続けることができれば良いね」。
これまでで最高のバックナインだったのでは、と問われたモリナリは、「状況を考えると、これまでで最高のパフォーマンスのひとつだったと思う」と答えた。
「12番を終えた段階では、チャンスはあると考えていたけれど、13番で短いパットを外してしまった。15番でも再びあったチャンスを決め切れず、その後、16番でボギーを叩いてしまい、今日の17番はパーで御の字というホールだったから、ほとんどチャンスは潰えてしまったと思った」。
「(17番の2打目は)素晴らしい5番アイアンのショットでピンそば2メートルちょっとにつけ、パットを決めることができた。それで、最終ホールへ向けて勢い付くことができたんだ。まだ、チャンスはあったからね」。
「3打で上がれば何だって起こり得るぞと考えたんだ」。
イタリアのモリナリは近年怪我に悩まされ続けており、ここ2シーズンは連続してQスクール行きを強いられてきた。
「諦めてはいけないということが証明できたね。挑戦し続け、ハードワークし続けなければいけないんだ」とモリナリ。
「僕は過去3年で、練習レンジで最も長い時間を過ごした選手なんじゃないかと思う。この勝利は、それだけのハードワークに対する素晴らしい見返りとなったね」。
モリナリと同じく、ダンも2バーディ、2ボギーの「36」でハーフターンした。
ダンはパー5の10番で1.2メートルのバーディパットを沈めて2打差の首位に立つも、続く11番でこの日3つ目のボギーを叩いた。
その後、24歳のダンは15番でバーディを奪って通算9アンダーに戻すも、16番ではパーパットを決め切れず、再びスコアを落とした。
しかし、プレッシャーのなか、ダンは最終ホールで1.5メートルのバーディパットをねじ込み、勝負をプレーオフへと持ち込んだ。
「今日は余りに多くのショットを決め損なってしまったような気がする。こういう日もあるということ」とダン。
「4アンダーか5アンダーくらいで回れそうな感じだったけれど、最終的には1アンダー止まりだった」。
「自分の調子には満足しているので、来週を楽しみにしている」。
「望んだ結果が得られなかったことには、少しがっかりしているけれど、正しい方向への一歩となったよ」。