レビが激闘のポルシェヨーロピアンオープンを制覇
2017年 ポルシェ ヨーロピアンオープン
期間:07/27〜07/30 場所:グリーンイーグルGC(ドイツ)
「ポルシェヨーロピアンオープン」の大会アラカルト
今週のヨーロピアンツアーの行き先はドイツ。ハンブルグのグリーンイーグルGCにて、35回目を迎える「ポルシェヨーロピアンオープン」が初めて開催される。
■2016年大会を振り返る
ドイツのバートグリースバッハGRで開催された2016年大会は、フランスのアレクサンダー・レビがプレーオフ2ホール目でイングランドのロス・フィッシャーを退けて優勝を飾った。
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大会は、初日から3日間にわたりバイエルン地方が午前中に濃い霧に覆われたため、54ホールへの短縮を余儀なくされるなか、レビは最終ラウンドとなった第3ラウンドを3打差の首位でスタートした。
レビがフロントナインでもたつくなか、フッシャーがその差を詰めるも、アメリカ生まれのフランス人選手は10番からの6ホールで4バーディを奪って再び単独首位に抜け出した。しかしながら、レビが上がり3ホールで2つのボギーを叩いたことにより、7バーディ、ノーボギーの猛チャージで通算19アンダーとして、レビを捕らえた同組のフィッシャーにもチャンスが生まれた。
18番を舞台に行われたプレーオフ1ホール目は両者ともにパーとすると、同じく18番で行われたプレーオフ2ホール目でレビが9mのパットをねじ込んで、天候に左右された1週間の戦いに終止符を打った。この勝利により、レビは最年少でヨーロピアンツアー3勝を果たしたフランス人選手として、歴史にその名を刻んだ。
■一口サイズの大会史
この歴史ある大会は2015年に、6年振りにヨーロピアンツアー国際スケジュールに復帰し、バートグリースバッハにて、初めて大陸ヨーロッパで開催された。この年は、最終ラウンドをノーボギーで回ったタイのトンチャイ・ジェイディーがヨーロピアンツアー7勝目を挙げた。45歳323日で大会を制した元パラシュート部隊兵のジェイディは、「ポルシェヨーロピアンオープン」の最年長優勝記録を更新した。
今年で35回目を迎えるこの大会は、1978年にウォルトンヒースのオールドコースで第1回大会が開催され、このときは米国のボビー・ワドキンスが優勝した。
ワドキンスの勝利以降、メジャー王者のダレン・クラーク、ニック・ファルド(2勝)、レティーフ・グーセン、トム・カイト、ベルンハルト・ランガー、サンディ・ライル、グレッグ・ノーマン、そしてイアン・ウーズナムといった世界最高の選手たちがこの大会のトロフィーを掲げてきた。
この大会で最後にタイトル防衛に成功したのは、ザ・Kクラブで開催された1999年と2000年大会を連覇したリー・ウェストウッドである。
■フィールド
今回は世界26位のパトリック・リードがキャリアで初めてドイツでプレーするほか、ジミー・ウォーカーやシャール・シュワルツェルといったメジャー王者も出場する。
この大会では直近の2大会を制したレビとジェイディ、米国のパット・ペレス、イタリアのマッテオ・マナッセロ、そしてトービヨン・オルセンとヨーロピアンツアー15勝で2018年「ライダーカップ」欧州代表キャプテンでもあるトーマス・ビヨーンのデンマーク人コンビらもフィールドに名を連ねている。
ドイツからはマルセル・シーム、フロリアン・フリッシュ、マキシミリアン・キーファー、ベルント・リットハマー、アレクサンダー・クナッペ、そしてセバスチャン・ハイゼレが出場し、ハンブルグで地元の声援を受ける。
■コース
「ポルシェヨーロピアンオープン」は今年で3年連続してドイツでの開催となり、今週はハンブルグにある7,582ヤード、パー72のグリーンイーグルGC北コースで初めて大会が開催される。グリーンイーグルでは、2010年にチャレンジツアーの「ECCOツアー選手権」が開催されたことがある。
北コースは186ヘクタールに及ぶ敷地にある3コースのうちのひとつであり、大きな池、壮観なバンカー、そして見事な自然のグランドスタンドがコースを彩っている。
■トリビア
・プレーオフでフィッシャーを下し、「ポルシェヨーロピアンオープン」で6例目となるワイヤートゥワイヤーでの優勝を遂げたレビは、フランス人として2009年のクリスチャン・セベールに続く2人目の大会制覇を果たした。また、レビは大会史上初の54ホール短縮版の王者となった
・レビは、パー=ウルリク・ヨハンソン(1999~2000)、そしてウェストウッド(1999~2000)に続く大会史上3人目の連覇を目指している
・ 1998年にウーズナムがサニングデールのオールドコースでマークしたトータル「260」が大会の最少スコアとなっている。それまでは、1985年に同コースでランガーがマークした「269」が大会記録
・2年前にポルシェの名が「ヨーロピアンオープン」の冠せられたことにより、同社はヨーロピアンツアーの大会の冠スポンサーとなった19社目の車メーカー
・2015年の「ポルシェヨーロピアンオープン」は、ドイツで開催された6つ目のヨーロピアンツアーの大会
・2012年大会では、パー3の12番でセルヒオ・ガルシアとホセ・マヌエル・ララ(ともに大会初日)、そしてグレーム・マクドウェル(最終日)がホールインワンを達成した。ヨーロピアンツアーで、同一大会の同一ホールでホールインワンが3つ以上出たのはこれが3度目のことだった