ゴルフの聖地で「61」の新記録 英国の36歳フィッシャーが達成
2017年 アルフレッド・ダンヒル リンクス選手権
期間:10/05〜10/08
ハットンがセントアンドリュースで連覇達成
ティレル・ハットンがオールドコースのコースレコードを更新する猛チャージをかけたロス・フィッシャーを振り切り、史上初となる「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」での連覇を達成した。
5打差の首位で最終日を迎えたハットンは、連続ノーボギーを55ホールに伸ばし、通算24アンダーとしてイングランドの同胞のフィッシャーに3打差をつけて優勝を飾った。
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一方、2010年の「ライダーカップ」出場選手であるフィッシャーは、これまでオールドコースにおけるプロによる通算1万3300ラウンドのなかで最小スコアとなる「61」をマークし、ハットンと共に歴史にその名を刻んだ。
今週は金曜にトミー・フリートウッドがカーヌスティで「63」をマークしており、フィッシャーによる今回の11アンダーは、「全英オープン」開催コースでの今週2度目のコースレコード更新となった。
しかし、トロフィーを持ち帰るのは4日間を「68」、「65」、「65」、「66」でラウンドしたハットンであり、カーティス・ストレンジ、トレバー・イメルマン、そしてトンチャイ・ジェイディーに続く、初めの2勝を大会連覇で成し遂げた史上4人目の選手となった。
また、ハットンはパドレイグ・ハリントン以来となる「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」で複数回優勝を遂げた2人目の選手となり、「マスターズ」から「全米プロゴルフ選手権」にかけての9大会で2回しか予選通過を果たせなかったスランプからの劇的な復調を遂げた。
「信じられない気持ちだね」とハットン。「去年より断然難しく感じた。自分自身に少しプレッシャーをかけ過ぎたせいかもしれないけれど、タイトルが防衛できてとても嬉しいし、最高の1週間だったね」。
「この大会方式が僕の助けとなっていると思う。ジェイミー(ドーラン)とのプレーはとても楽しかったし、リラックスしてプレーすることができた。僕らはとにかく楽しんだし、この大会は正にそういう大会だからね」。
「僕は16番のグリーンまでリーダーボードを見なかったのだけど、あそこで彼が通算21アンダーだと知ったので、17番のティショットが少し難しくなったのは間違いないね」。
「フィッシュは本当に見事なラウンドをしたね。彼は最後まで僕をプッシュしたし、それをはね除けて優勝することができてとても嬉しいね」。
フィッシャーはこの大会で2年連続の2位となり、そこから4打差の3位にはこの日「63」をマークしたフランスのビクトル・デュビッソンが入った。
ハットンはこの日の2打目をスウィルカン川へ入れるも、チップインでパーをセーブし、2番と3番で見事なショットから連続バーディを奪うと、4番でも1.8メートルのバーディパットを決め、パー5の5番ではタップインバーディを決めてリードを7打差に広げた。
2番から4連続バーディを奪ったフィッシャーは、7番で長いバーディパットを沈めると、8番では4.5メートルのバーディパットを沈め、短い9番でもバーディを奪い、「29」でハーフターンした。しかし、ハットンも9番でバーディを奪い、両者の差は残り9ホールで6ストロークとなった。
賢いショット選択が冴えたフィッシャーは、12番と13番でバーディを奪い、パー5の14番と続く15番でもバーディを奪ったことで、ギャラリーの間ではヨーロピアンツアー史上初の「59」に対する期待が囁かれ始めた。
ハットンも14番でバーディを奪い、余裕のリードを保つことに成功。しかし、17番をパーで凌いだフィッシャーは、最終ホールで「59」の望みをつなぐイーグルパットを残した。
結局、フィッシャーはこのホールを3パットのパーとするも、エジンバラの北東で繰り広げられた両者による見事な優勝争いは色褪せることはなかった。
「とにかくラインが見えていたし、良いパットが打てて、入ってくれたので、ノーボギーであんなスコアを出すことができた」とフィッシャー。
「ずっとプレーし続けていたかったし、やめたくなかったね。最終的には実現できなかったけれど、僕はゴルフの聖地で『59』にトライするパットを何としても残したいと思っていたんだ」。
「残念ながら『61』だったけれど、それでも大満足さ」。
「今日は良いパフォーマンスを見せ、2位タイに入った昨年の結果を再現することを目指した。残念ながら、ティレルとの差は離れ過ぎていたから。でも、終盤には、彼に少しは考えさせることができたね」。
2番と3番でバーディを奪い、5番から5連続バーディを奪ったデュビッソンはフィッシャーと同様に「29」でハーフターンすると、11番、14番、そして15番でもバーディを奪い、こちらも歴史的快挙を期待させる展開となった。
デュビッソンは16番をボギーとして快挙達成からは遠ざかるも、今季6回目の予選通過で自身のシーズンベストを更新する3位に入った。
首位と10打差の4位タイにはフランスのグレゴリー・ボーディ、イングランドのロバート・ロック、そしてスコットランドのマーク・ウォーレンが入り、通算13アンダーの7位タイにはルーク・ドナルド、オリバー・フィッシャー、そしてエディー・ペパレルのイングランド人トリオ、アイルランドのポール・ダン、そしてフランスのアレクサンダー・レビが入った。
チーム戦は最終日に合わせて「56」をマークし、通算40アンダーまでスコアを伸ばしたジェイミー・ドナルドソンとキーラン・マクマヌスが優勝した。