ウィレットが優勝 F.モリナリがイタリア勢初の年間王者
2018年 DPワールド ツアー選手権 ドバイ
期間:11/15〜11/18 場所:ジュメイラ・ゴルフエステーツ(UAE)
「マスターズ」制覇から不振 ウィレットが歓喜の復活優勝
「DPワールドツアー選手権」はドラマチックな最終日の末、ダニー・ウィレットが勝者の輪へと返り咲き、フランチェスコ・モリナリが欧州ナンバーワンの称号を手にして幕を閉じた。
イングランドのウィレットは2016年4月に「マスターズ」でメジャー初制覇を遂げて世界にその名を轟かせたが、今週ジュメイラ・ゴルフエステーツへ到着した時点では、それが最後に味わった勝利の美酒となっていた。
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ケガと自身も認める不調により、一時は世界ゴルフランキングを462位まで下げたウィレットだったが、ドバイでの最終日で「68」をマークしたことにより、「ロレックスシリーズ」王者になるとともにランキングを大幅に上げることとなった。
ウィレットは上がり5ホールで3つのバーディを奪って通算18アンダーとし、2位に入ったイングランドの同胞マット・ウォレスと現「マスターズ」王者のパトリック・リードに2打差をつけて優勝した。
通算14アンダーの4位タイにはディフェンディングチャンピオンとして大会に臨んだジョン・ラームと、スペインの同胞であるアドリアン・オタエギ、そして南アフリカのディーン・バーメスターが入った。
親友のトミー・フリートウッドが優勝しない限り自身の「レース・トゥ・ドバイ」制覇が決定する状況でこの大会に臨んだイタリアのモリナリは、フリートウッドが16位タイに終わったため、初めて欧州ナンバーワンの座を手にした。
「マスターズ」制覇の翌シーズンの「レース・トゥ・ドバイ」を96位で終えたウィレットは、2017年8月に新コーチのショーン・フォーリーとともにゴルフに取り組み始めた。
ウィレットは今季最初の7大会で5度の予選落ちを喫するも、「イタリアオープン」での8位タイをきっかけに復調し、その後「ロレックスシリーズ」でさらに2度のトップ10入りを果たした末に、最終戦で欧州ツアー6勝目を達成した。
「これまでたくさんハードワークを積んできた」と感極まったウィレットは述べ、「とてもタフだった。とにかく、自分自身と僕の周りにいてくれた全ての人々をとてつもなく誇りに思う」と加えた。
「次の優勝はいつになるかわからないものだし、これまで起こった全てのことから、自分がまた優勝できるか確信が持てなくなっていた。シーズンの最後に、それが実現するとはね。僕らは今季を通して、ここまで長くハードに戦ってきたので、今日何が起こったかにかかわらず、より良い人間に、そしてより良いアスリートになったと思う。ここは特別な場所だね。大変な労力だったし、とにかく(勝者として)戻って来られて嬉しい」。
ウィレットはリードが第2打をミスした1番ホールで首位に立つと、2番では13.5mのスネークラインを読み切ってイーグルを奪い、アドバンテージを3打差に広げた。
ウォレスは2番でバーディを奪うと、続く3番では3パットのボギーを叩くも、5番では1.5mのバーディパットを決めて盛り返した。
これに対しウィレットはパー5の7番でバーディを奪い、通算17アンダーでハーフターン。一方、8番でボギーを叩いたリードは5打差、8番でチップインパーを決め、9番でバーディを奪ったウォレスは3打差で首位を追う展開となった。
しかし、首位のウィレットが林に打ち込んだ10番でボギーを叩いたのを尻目に、リードは10番と11番でそれぞれ4.5mと3mのバーディパットを沈めて再び首位に肉薄した。
その後、ウィレットがバンカーの縁に捕まった12番でボギーを叩くと、ウォレスがパー5の14番でバーディを奪って首位タイに浮上した。
リードとウィレットも巧みな寄せワンで14番をバーディとすると、2打目をピンそば2m以内につけた15番でもバーディを奪ってスコアを伸ばした。
ウォレスは最終ホールでバーディを奪って望みを繋ぐも、パー3の17番でウィレットがティショットを1.5mにつけてバーディ。リードは最終ホールでバーディを奪うも2位タイに留まった。
オタエギは2番、3番、4番、そして9番でバーディを奪い、「32」でハーフターンして優勝争いに名乗りを上げるも、13番と17番でボギーを叩いて失速。それでも最終ホールでバーディを奪って上位進出を果たした。
ノーボギーでラウンドしたラームは7番、13番、14番、そして16番でバーディを奪い、一方、バームスターは5バーディ、3ボギーの「70」でこの日をラウンドした。
通算13アンダーの7位タイにはディラン・フリッテリとトム・ルイスが入り、その1打後方の9位タイにはキラデク・アフィバーンラト、セルヒオ・ガルシア、そしてアレックス・ノレンが入った。