松山英樹単独会見(2)周囲の評価と自己分析のギャップ
ゴルフ場利用税廃止 また「×お断り」 来年度は堅持
政府・与党は2015年度の税制改正で、ゴルフ場利用税の廃止を見送る方針を決めた。消費税との「二重課税」という批判がある一方で、廃止すれば地方にとって約500億円の税収減となる中、代替財源の検討が進んでいないと判断した。
税制改正の決定権を事実上握る自民党の税制調査会(野田毅会長)小委員会が27日(土)、各省庁や業界団体から出された要望の取り扱いを決める「マルバツ審議」を開き、「×」(お断りする)との結論を出した。
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出席者らによると、小委では「1000万人ゴルファーは消費税との二重課税を許せない」「五輪種目になったから、いきなり廃止というのでは地元に説明できない」などと賛否双方の議員が激論を交わした。最後は、額賀福志郎小委員長が「今後は地方再生が重要だ。東京オリンピックは2020年で、まだ時間がある。この問題(ゴルフ場利用税)は、来年は堅持する」と引き取った。
ゴルフ場利用税は、ゴルフ場でプレーした際に課される都道府県税で、標準税額は1日1人800円(上限は1200円)。18歳未満と70歳以上、障害者らは非課税となっている。12年度は507億円の税収があり、うち7割の354億円がゴルフ場のある市町村に交付された。
文部科学省やゴルフ関係団体は長年、廃止を要望しているが、地方税を所管する総務省や地方自治体の反対が強く、自民党税調は毎年「×」の判断を繰り返してきた。
今年は12月に衆院選があったため、税制改正に向けた実質的な議論の期間は例年より短い約2週間となった。ゴルフ団体関係者は同月下旬「日程はタイトどころの話ではない。水面下で議員会館を飛び回って協力を求めている」と漏らした。
議論が大詰めに入った今週後半、自民党の政務調査会文部科学部会幹部は「ゴルフ場利用税(廃止)は頑張る。理論武装しないといけない。二重課税は日本だけで、世界標準にしないと、オリンピック競技になった今、外国の人はびっくりする」と強調した。
一方で、代替財源の確保について「そう言われるとつらいところ。(税調は)ガードが固い。世界標準と市町村の声との間で板挟みだ…」とも吐露していた。
今年は一時、ゴルフ場利用税廃止の機運が高まった。
11月4日の参院予算委員会の審議で、麻生太郎財務相が「オリンピックの種目に税金がかかるのはいかがか。仮に消費税が来年10月から上がるのであれば、地方税も収入が増えるから、いいタイミングかなという感じはする」と答弁。安倍晋三首相も「(プレー料金の)全国平均は食事が付いて8000円くらいで、ゴルフ場利用税の比率が高くなっているのは事実。総務大臣とも相談しながら検討したい」と理解を示した。
ただその後、安倍首相は消費税率の10%への引き上げを17年4月まで延期するとし、衆院を解散。「500億円をどう手当てするか総務省と協議する時間がない」(政府関係者)状況に陥り、政府・与党内では、ゴルフ場利用税について再増税時まで議論を先送りする声が強まっていった。
片川望(かたかわはるか) プロフィール
1975年生まれ、性別「男」。通信社の記者を経て、2014年GDOニュース編集部。トーナメント会場にはたまに現れるレアキャラだが、見かけてもご利益はない(はず)。「どちらかと言えばエディター」を自称しており、普段は東京・五反田界隈に生息している。ツイッター: @hrkktkw