首位と3打差以内に25人 松村道央は粘り勝ちの予選突破
2015年 ハッサンIIトロフィー
期間:03/26〜03/29 場所:ゴルフ・ドゥ・パレロイヤル(モロッコ)
「諦めたくない」松村道央が見せたプロ根性
「せっかくモロッコまで来たのだし、諦めたくないという気持ちだけだった――」。
モロッコにあるゴルフ・ドゥ・パレロイヤルで行われた欧州ツアー「ハッサンIIトロフィー」2日目、カットラインぎりぎりの通算2オーバーで予選通過を果たした松村道央は、強い日差しで赤らんだ顔で、そう振り返った。
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予期していたとはいえ、序盤から苦しんだ。左手に海を望む2番(パー3)でボギーを先行させると、4番もボギー。続く5番(パー5)はバーディの欲しいホールだったが、レイアップ後の3打目はインパクトが強く入ってグリーン左奧のバンカーの上で止まった。
ピンの切られたグリーン面からは2m近く隆起しており、ピンに向かっては強い下り傾斜となっている。奧には池があり、球とピンの間にはバンカーまでが鎮座する。「バンカーの左からパターで転がすと確実に池まで転がって行ってしまう。バンカー手前のラフが発射台みたいになっていて、少し強く入るとキャリーでバンカーを越えて、これもまた池まで行く。確実にバンカーに入れる気持ちで打った」。
この4打目をパターで意図的にバンカーに入れると、そこから“寄せワン”のボギー。「冷静に判断した」と言うものの、このボギーで3オーバー。8番(パー3)もボギーとして一時は4オーバーまで後退した。
冒頭の言葉は、この頃の心境だ。その粘りは確実に実を結んだ。9番で2打目を50cmにつけてこの日初めてのバーディを奪うと、10番(パー5)では3mをしぶとく沈めるナイスパー。この日の難易度2位、平均スコア3.48の12番(パー3)でも6mの下りスライスラインをカップに沈めた。
さらに13番、15番(パー5)とバーディを重ねて、スタート時のイーブンパーまで盛り返すことに成功する。上がり3ホールで2ボギーを献上したが、「74」でまとめて最後は見事にカットラインへと滑り込んだ。
初日に岩田寛がホールアウト直前に途中棄権。「日本人1人になってしまったし、最低でも4日間プレーしたいと思った。良い巻き返しが出来たと思う」。
その後に続いた言葉がまた良かった。
「あしたは気楽さの中に緊張を入れてやりたい。1ストロークの中に多くの選手がいるし、うまくはまった人が優勝争いをすると思う。5アンダーくらい出せれば、トップ20とか見えてくるし、最終日に楽しく回れるような位置に行きたい」。
我々はまさにこういうプレーを期待しているのだ。(モロッコ・アガディール/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka