「日本プロ」2日目スコア
2021年 日本プロゴルフ選手権大会
期間:07/01〜07/04 場所:日光CC(栃木)
シード落ち、手術、PGAツアーでキャディ…大堀裕次郎「もう失うものはない」
◇国内メジャー◇日本プロゴルフ選手権 2日目(2日)◇日光カンツリー倶楽部(栃木県)◇7236yd(パー71)
かつて松山英樹、石川遼と同学年の選手として注目された大堀裕次郎は、大学卒業の2014年のプロデビューから未勝利のまま時間が過ぎた。2019年末にはシードを喪失。原因になったのが当時“再発”したショットのイップスと、ひそかに抱えていた故障だった。
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18年の合宿中、トレーニングをしていた時に右足首に痛みを覚えた。当初はねん挫と高(たか)をくくっていたが、検査した結果、かかと付近にある余計な骨を取り除く必要があったという(三角骨障害)。「手術をしないでやっていたら違和感がずっとあった」と、ようやく決断して昨年のクリスマスにメスを入れた。クラブは3カ月近く握れなかった。
出場できる試合のあてがないまま2月に米国にわたり、PGAツアーで戦う小平智に帯同してフロリダで汗を流した。「ホンダクラシック」ではキャディを務め、同じ組のビジェイ・シン(フィジー)、スティーブ・ストリッカーといったレジェンド選手からも勉強。「余裕もあるはずだけど、心に波風を立てずにプレーしていた。『こういう気持ちでやればいいのか…』と思った」と一歩引いた目線でゴルフを眺めることができた。
下部AbemaTVツアーが主戦場となったいま、今大会は大会当週月曜日の予選会で出場権をつかみ、71位から出た2日目に「64」をマーク。一昨年の9月以来、遠ざかっていたレギュラーツアーでの60台をマークした。「もう失うものはない。きょうも思い切ってやろうと」。ティショットを左サイドのフェアウェイバンカーに入れた最終18番、PWでの2打目をピンそば1mにつけるバーディフィニッシュで首位とは2打差、通算6アンダーの7位で決勝ラウンドを迎えられる。
大阪学院大時代の同級生、木下稜介が直近2試合で初優勝、2勝目を挙げた。「『お前もきっとできるはず』と言ってくれる人たちがいる」と刺激にならないはずがない。「(木下の)鼻を折ったらな、ダメですね(笑)。あしたからも攻めるのみです」。苦労を知るぶん、喜びはきっと大きい。(栃木県日光市/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw