「石川遼さまさまです」とご満悦の堀川未来夢

◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 2日目（17日）◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース （北海道）◇7063yd（パー72）

ラウンドを終えたばかりの石川遼が、自身のクラブセッティングについて語る。先週、You Tubeの「堀川未来夢チャンネル」に石川がゲスト出演した動画の再生回数は53.5万回（9月17日時点）を記録して、同チャンネルの平均再生数を大幅に上回る数字をたたき出している。

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「遼くんが出る影響力と、言葉の影響力はすごいです。桁が違う」と堀川は感謝する。すでに何人かのプロゴルファーがYou Tubeで情報発信しているが、堀川もその一人だ。2日に1回の投稿をノルマにしている「堀川未来夢チャンネル」には、現在9.7万人の登録者がいる。

堀川未来夢チャンネル

コロナ禍もそんな変化を生んだ背景のひとつにある。メディアによるトーナメント会場での取材が制限される一方で、無観客も相まって、選手自身が練習ラウンドやインタビュー、レッスンなどを撮影することが容易になり、特権的にもなっている。「ツアー会場にいられるのは、だいぶアドバンテージがありますね」と堀川は言う。そこには国内トップのプロたちがいて、国内トップの環境がある。ツアープロ同士の深い話は、多くのゴルフファンを惹きつけている。

ときに「そんな暇があるなら練習しろ」という批判的な意見もあるが、「あまりそういう感覚はないですね」と堀川は気にしていない。「練習量を増やしたら、その分結果に直結するかと言ったらそうでもない。それだったら熱量を分散させて、練習ラウンド中にちょこっと撮るだけで、年間どれだけになるんだって考えたら全然（いい）。24時間しかない中で、どこに力を入れるのか。全然苦になっていないし、知名度が上がってくれればいい」。実際、最近は「いつもYou Tube観ています！」と声を掛けられることが増えたという。

11年ぶりの優勝は絶大なプロモーションになる？

2日目を終えて、堀川は1打差3位。2打差11位にいる横田真一も、登録者数12.9万人を誇る「横田真一チャンネル」を運営している。

横田真一チャンネル

横田は「試合が一番のプロモーション」と断言する。すでに初日、2日目のラウンド後の様子もスピード感を持ってアップ済み。「これで勝ったら（自身が研究する）自律神経の講演も来るだろうから」という皮算用も、試合を戦うモチベーションのひとつに昇華している。

2日目の17番、グリーン奥の左足下がりのラフから「フェースは95度くらい。もう後ろを向いていました」と、極限までフェースを開いたロブショットでピンそばにピタリと止めたパーセーブも圧巻だったが、「微力ですけど、ゴルフ界を活性化できるように。人がやらないことや常に話題を提供したい」というYou Tube動画もまた、エンターテインメントになっている。

撮影している本人たちも勉強になることが多いというが、良質な素材が集まるツアー会場は絶好の収録場所。貴重な時間を割いても続ける根拠が、そこにある。（北海道北広島市／今岡涼太）