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間もなく43歳 “兄貴分”谷原秀人からのメッセージ

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(14日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)

谷原秀人が後輩から慕われる理由を垣間見たのは、2017年「全米プロ」だった。松山英樹がメジャー初優勝に迫ったクエイルホローの激闘。惜敗し、インタビュー中に悔し涙をこぼした松山が帰りの駐車場に向かうと、谷原が待っていた。最終日のスタートは谷原の方が5時間半ほど早かったが、快挙の可能性を信じてコースに残り、敗れた松山をねぎらっていた。

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2週前の国内ツアー「ISPS HANDA ガツーンと飛ばせ」でも印象的な場面があった。最終日最終組で一緒に回った植竹勇太が5打のリードを守れずに初優勝を逃すと、グリーンサイドで優しく肩を抱いていた。ショッキングな逆転負けを慰めつつ、指摘も忘れない。「ショットも悪くないし、パットも悪くない。ただ、周りの状況が見えてなさすぎる」と助言したという。

最後は金谷拓実に競り勝ち、若手の壁となった今大会。賞金王争いをリードし、近い将来海外へ羽ばたいていくであろうスーパールーキーと最終日最終組でぶつかり合い、気になったことがある。

「金谷は気持ちも強いし、毎回のように優勝争いもして、ホントにすごいなと思う」とたたえた上で「(きょうは)調子悪かったですけどね。(ショットが)ずーっと左。立て直せなかったのか、やらなかったのか、分かって打っていたのかは本人にしか分からないけど、もうちょっと(ゲームの中で)修正が利いたんじゃないか、とも思った」

金谷だけではない。「石坂(友宏)くんはホントに良い子だよね。良い子過ぎて大丈夫かなってくらい。きのう(3日目に)回った久常(涼)くん、飛ぶよね。(ショットが)ドロー、ドロー、ドローだから、右ピン、右ピンって(立て続けに)来たら、ちょっとしんどいかもしれない。でも、小技もうまかったなあ。やっぱり上に来る子は、みんなショートゲームがうまい。どれだけ拾うか、ですよ」。ベテランの域に入っても向上心の塊だから、若い選手のプレーも性格も、本当によく見ている。

42歳(11月16日に43歳の誕生日を迎える)は、2020-21年シーズンの日本人選手優勝者としては最年長だ。「たぶん、同い年とかの刺激になるんじゃないかと思ってます。みんな、もがいて頑張っている。“谷原がやれるなら…”という気持ちになって、20代も30代も40代も一緒にレベルアップしていければ、ツアーも活気づくじゃないですか」。懐の深い兄貴分らしく、大局を見ている。(静岡県御殿場市/亀山泰宏)

亀山泰宏(かめやまやすひろ) プロフィール

1987年、静岡県生まれ。スポーツ新聞社を経て2019年にGDO入社。高校時代にチームが甲子園に出場したときはメンバー外で記録員。当時、相手投手の攻略法を選手に授けたという身に覚えのないエピソードで取材を受け、記事になったことがある。

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