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7Iしか握れなかった日々を乗り越えて 片岡尚之が次に狙う地元メジャー

◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 最終日(2日)◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178yd(パー72)◇曇り(観衆3507人)

ツアー1勝の片岡尚之が、地元・北海道で優勝争いを演じて2位に入った。ショットと持ち味のパットがかみ合い連日スコアを伸ばしたが、実はトップ10に入るのは昨年10月「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」(7位)以来。昨年終盤からここまで、ショットに悩める日々を過ごしてきた。

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2022年11月ごろからスイング改造を始め、「どうしたらいいですか?」と聞いてきた片岡に、谷将貴コーチは「練習ラウンドは7Iで回ればいい」と伝えた。「当時まだ長いクラブが打てなかったのと、7Iをコースで打てるかを指針にしているので。それくらいやらないと、変わらない」と谷コーチは振り返る。7Iだけを持って練習ラウンドを回ったのは一度きりではなかったという。片岡のスイングに、それほど大きな変化を課していた。

2021年5月「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ」でツアー初優勝を飾った片岡だが、谷コーチによれば当時のスイングは「クラブをインパクト合わせで動かしている感じ。応急処置では無理だった」とクラブの動きはバラバラ。2020-21年シーズンのスタッツを見ても、フェアウェイキープ率52.15%(71位)、昨シーズンは48.945%(86位)と、決して良いと言える数字ではなかった。

それも片岡の持つ器用さと、クラブとスイングの動きに関する感度の高さゆえ。「どう動いたら、どうスイングに影響するかが分かるタイプ。大体の選手なら気づかないようなところも片岡選手は気づく。F1レーサーがメカニックのことを考えている感じで、分かりすぎることもプレーヤーにとっては大変だと思う」という繊細な感性は、一歩間違えると“あだ”にもなった。

昨年末から曲がらないボールを打つために、フェースローテーションを抑える動きを徹底的に覚えこませることに専念したが、定着するまでは左右のミスが止まらない。「ツアーで1、2を争うくらい曲がっていたと思う」と谷コーチが話すほどフェアウェイキープ率はさらに低迷し、今シーズンは47%台。片岡自身も「プロゴルファーに向いていないんじゃないか」と悩み続けた。

スイングの完成に向けて照準を置いたのは、7月末に北海道の恵庭カントリー倶楽部で行われる国内メジャー「日本プロゴルフ選手権」。谷コーチは「7、8月には結果が出ると思うと伝えていた」そうだが、片岡は元来の器用さを武器に予想を上回るペースで成長。「5月くらいには僕の想像を超える速さで仕上がってきた」という。試合結果にも徐々に表れ始めたが、今度はメンタル面の問題が表面化。「曲がる意識がどうしても強くて、スイングの足かせになってしまう」(谷コーチ)と、スイングの仕上がりとメンタルがなかなか比例しなかった。

ひとあし早く北海道で迎えた今大会では久々に優勝争いに加わったが、「一日緊張した中でのゴルフだった」というプレッシャーも加わり、フィニッシュが取れないミスショットは少なくなかった。最終的に優勝スコアに3打届かず、「頑張ったけど残念でした」と、同じく久々に味わう惜敗に悔しさをにじませた。

谷コーチから見た進捗は、スイングが8割、メンタルが5割。スイングが仕上がってきたタイミングで優勝争いに絡めたのは、生まれ育った北海道で洋芝に慣れていたこともあるだろう。加えて「地元で仲間に囲まれてプレーしたことが、ちょうどいいきっかけになったのかも」と谷コーチ。スタートから途切れずロープ際から飛ぶ声援は、「本当に心強かった」という片岡にとって確かな力になった。

ツアーは3週のオープンウィークを挟み、27日に開幕する日本プロから再開する。「恵庭でやる。そこを狙っています」。谷コーチは、再び優勝争いに加わる片岡の姿をハッキリと思い描いた。(北海道千歳市/谷口愛純)

谷口愛純(たにぐちあずみ) プロフィール

1992年生まれ。社会部記者、雑誌の営業その他諸々を経てGDOに入社。ゴルフは下手すぎて2017年に諦める。趣味は御朱印集めと髪色を変えること、頭皮を想って最近は控えてます。

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