韓国のツアーバン村に潜入取材 ひときわ目立ったスリクソンの“2階建て級バン”
◇日韓共催◇シンハンドンヘオープン◇ジャック・ニクラスGC(韓国)◇7502yd(パー72)
前週「シンハンドンヘオープン」の練習日の出来事だ。日韓共催の試合ということで、普段は目にすることのない、韓国のツアーバンが並ぶ場所に足を運んだ。ピン、キャロウェイ、ブリヂストンと、名の知れたメーカーのバンが並ぶなか、そのいちばん奥にひときわ“のっぽ”のバンが鎮座していた。外装には「SRIXON」の文字。ダンロップのツアーバンだ。
2階建てほどの高さは、ほかのツアーバンに比べてひときわ目立つ。アメリカではテーラーメイド、キャロウェイ、ピンの2階建てバンが有名だが、日本ではこの高さのバンは目にしたことがない。両サイドが張り出した構造で横にも広かった。
「アニョハセヨ」と早速なかに入ってみると、天井の高い広々とした空間が広がっていた。案内してくれたのはツアー担当のキム・ジョンヒョクさん。今年リニューアルしたというピカピカなバンの内部を紹介してくれた。
「この大きさは韓国では初めてです。アメリカの2階建てツアーバンの写真を見せて、業者に作ってもらいました」とうれしそうに語る。実際に2階部分があるわけではなく、純粋に天井が高い構造だ。全長12.8m、高さは地面から5.4m、横幅は4.5m。高さも横幅も、運転時には縮められるのだという。
車内中央にはアイランド式の作業スペースがあり、両サイドにも作業台を設置。作業が渋滞することはなさそうだ。なにより開放感があり、作業効率の良さを感じさせる。
「作業空間が広くて、かなり効率はいいです」とジョンヒョクさんは言う。さらに「ハイブリッドシステムを導入していて、発電機を止めた状態でもバスの機能が使えます。排ガスも出ないので、空気もとてもいいんですよ」と胸を張った。取材中には、“2階建て級バン”をひと目見ようと、日本のプロも頻繁にバンを訪れていた。
ついでに韓国のツアーバン事情についても尋ねた。日本と違い韓国では移動に船を利用することがなく、移動距離もそれほど長くはないので、基本的にはツアーレップが運転も担当するケースが多いという。釜山など遠距離移動の場合のみ、業者に運転を依頼するそうだ。
月曜から水曜日まで会場に滞在し、その後に次の会場に移動するというパターンが多いのは他国の状況と変わらない。男子の試合がないときは韓国女子ツアーにバンを回すこともあるそうで、男女それぞれ専用のツアーバンを所有するのは、タイトリストとキャロウェイのみだという。
普段日本で活動する各社メーカーのツアーレップたちも、韓国のスタッフたちと交流しながら、クラブフィッティング文化の違いなどについて語り合っていた。こうした光景が見られるのも、日韓共催ならでは。(韓国・仁川/服部謙二郎)
服部謙二郎(はっとりけんじろう) プロフィール
堂本光一と同じ1979年・元日生まれ。大卒後はサッカーライターを目指し渡西。マドリードで数年フラフラし、帰国後ゴルフ雑誌編集者に。2023年にゴルフダイジェスト→GDOというルイス・フィーゴばりの禁断の移籍を果たした。点を決めるよりラストパスが好き。