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世界での経験を糧に…川村昌弘が2勝目へ2位浮上

静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開催中の「三井住友VISA太平洋マスターズ」は単独首位の谷原秀人を筆頭に、上位に実力者が並んだ。通算12アンダーの2位につけるのは川村昌弘。最終18番(パー5)で2オンから4メートルのイーグルパットを沈め、9月の「アジアパシフィック パナソニックオープン」以来となる2勝目のチャンスを手にした。

このムービングデーは「パットがよく入った」とグリーン上での好プレーが光った。前半アウトはパーが並んだが、10番で決めた最初のバーディは5メートル。14番では10メートル以上が決まった。「インコースの方が僕に易しくしてくれている。なぜか入る」と笑顔。3日間で数えたボギー以上を叩いたのは3ホールだけ。バーディ、ボギーが入り乱れるリーダーボードでは“異色”とも言える静かな展開を見せている。

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その安定感は、学生時代から周囲が目を見張るものがあった。

今大会の予選ラウンドでは、石川遼と互いにジュニア時代以来となる同組になった。石川は当時の印象について「昔は体が小さくて、(浅地)洋佑なんかと同じで、ショートゲームが上手かった」と話した。「“荒々しい”感じが無くて。ボールを曲げて攻めるのが上手いけど、あれだけまとまって入れば、そうそう崩れることはないと思う。どっちかって言うと自分の方が荒々しい…」。

とはいえ、将来は欧州など海外ツアー挑戦を夢見る川村自身は、特に爆発的なスコアを出す面において、一層のレベルアップが必要と肌で感じている。2週前、初めて踏んだ世界選手権シリーズの舞台「WGC HSBCチャンピオンズ」。心に強く刻まれたのは、難コースを軽々と攻略してスコアを伸ばし合うトッププレーヤーたちの姿だった。「優勝スコアが24アンダーだったんで…(川村は2アンダー)。ビッグスコアに対して慣れていかないといけない。もっと突き抜けていかないと」と、自らの殻を破るきっかけになり得る衝撃だった。

プロ2勝目へ向け「前半に崩れずに、バック9、いや残り3ホールくらいで優勝を狙える位置にいられたら」と明日を見据えた川村。最終日の好天はまたバーディ合戦を呼び込むはず。“突き抜ける”ための意識改革。その試金石となるだろうか。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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2013年 三井住友VISA太平洋マスターズ

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