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1Wに悩む石川遼 “ブラッシー”使用の奇策も覚悟

◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 事前情報(13日)◇フェニックスカントリークラブ(宮崎)◇7027yd(パー71)

林越えの1オンが狙える左ドッグレッグの13番ホール。開幕2日前の練習ラウンド中、ティグラウンドで片山晋呉が声を発した。「遼、スプーン(3W)でどこを狙うの?」。石川遼は「グリーンですよ」と答えた後に続けた。「でも、これ“ブラッシー”なんです」――

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不振続きの秋を過ごす石川は、直近2試合で予選落ち。前週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」では「自分でも何が起きているのか分からないですね。だから、対処のしようがない」というほどだった。1Wショットが定まらないことが一番の原因だという。「1Wと3Wで、長さも1.5インチしか変わらないのに、3Wでは打ったことが無いようなミスショットが、1Wでは簡単に出る。クラブの重心距離のの違いが関係しているのか…」と悩みを吐露する。

両サイドに松の木が林立するフェニックスカントリークラブは、かねて石川が苦手意識を持つコースといっていい。決勝ラウンド進出を逃した前週末、考えついたのは1Wの代わりに、2W(ブラッシー)をキャディバッグに入れるという“奇策”だった。通常、ロフト角13.5度の3Wを調整して12度に立て、シャフト長を0.25インチ伸ばしたもの(43.25インチ)などをテスト。ティアップした状態から275yd前後のキャリーが出る3Wに比べ、約10yd飛距離が出た。

この日、予選ラウンドで星野陸也、そして松山英樹と一緒にプレーすることが決まった。「(パワーのある)ふたりと一緒になって、もしも1Wがなかったら恥ずかしいところもある」と思いは複雑だ。「でも、周りにどう見られているとか、思われているとか、気にしていてもプラスにはならない。1Wだけを気にして、他のことができないのはもったいない」と、なりふり構わずプレーする覚悟でもいる。

練習ラウンドを終え、石川は気温の下がったドライビングレンジで打ち込んだ。2Wも手にしながら、1Wのネック部分に鉛をつけて重心距離の調整を行い、一定の手ごたえを感じた様子でコースを去った。1Wか、2Wを使うかは「まだ分からない」という。試行錯誤はギリギリまで続く。(宮崎県宮崎市/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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