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渋野日向子と鈴木愛 成長の跡を刻んだ名勝負

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 最終日(24日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6580yd(パー72)

張り詰めた緊迫感が嘆声とともに壊れた。打ち下ろしの17番(パー5)。前日とうってかわって雨が混じる逆風。ほぼ完璧に近いプレーで同組の渋野日向子と並走してきた鈴木愛のティショットは、わずかに右へ飛んだ。1打リードを許した渋野をとらえるためには、バーディが必要だったが、無情にも池に吸い込まれた。

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「見えていました。ちょっと右に出ただけです」

唯一といえるミス。賞金ランキングトップの鈴木は、詳しく振り返るのを嫌った。賞金女王、五輪代表争いを繰り広げる4つ年下のライバルに、ツアー史上初の4連勝を阻まれた。

同スコアから出た最終日。前半を終えて鈴木が4つ伸ばして渋野を1打リードした。後半の出だしは渋野が主導権を握った。10番で3mに絡め、11番(パー5)で第2打をピン方向に打って2オンし、2連続バーディで逆転した。鈴木は直後の12番(パー3)で下りの4mを入れ返して、豪快に拳を握った。

息が詰まるような一騎打ち。青木翔コーチは「ボクシングの殴り合いのようだった」と表現した。意地と技術のぶつかり合い。会話はほぼない。互いにプレッシャーをかけ合い、激しいバーディの応酬。今季の名勝負のひとつといっていい。

上がり3ホールを前にプレッシャーをかけたのは渋野だった。15番、鈴木が1.5mにつけたのに対し、4mにつけた渋野が先に下りのバーディパットを流し込むと、鈴木が外した。結果的にこの1打の差が、終盤での明暗につながった。

「鈴木さんに、技術は到底およばない。だから気持ちでは絶対に負けちゃいけないと思っていた。差? 1mmくらいは縮まったのかも」。渋野はおどけ笑いを見せながらそう言った。

3月「ヨコハマタイヤPRGRレディス」(高知)で今季初出場した渋野は、優勝を狙える位置で最終日に鈴木と回った。無名のルーキーが、日本人のトップに挑む構図だった。2位に4打差をつけて完勝したパットの名手の強気なタッチを目に焼き付けた。

この後、強気で打ち切るスタイルは渋野の代名詞にもなった。優勝を争う場面でも緩まず打つ。合言葉にして、青木コーチと練習に励んだ。

「3月は後半に自分が崩れた。んー、あのときより6打成長しましたね」

驚異的なスピードで駆け上がってきた21歳。名勝負に成長の跡を刻んだ。(愛媛県松山市/林洋平)

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