パットが決まっていたら・・・試合が終わっても練習を繰り返す上田桃子
「マンシングウェアレディース東海クラシック」の最終日。3週連続優勝に向け、2位に2打差のリードをもって最終日を迎えたのは飯島茜。その飯島を逆転するか2打差でスタートしたのが上田桃子だった。8,000人を越える大ギャラリーのお目当ては勿論この最終組。
ところが、スタート直後上田はただならぬ雰囲気を察した。首位の飯島がスコアを落とすと「下から伸ばしてくるな!」と。事実、川原由維とチャンナがスコアを伸ばしていた。しかし、6アンダースタートの自分が10アンダーまで伸ばせば逆転されることはないだろうと意識を切り替え、自分のゴルフに集中した。
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ところが、久しぶりの最終組。飯島、鬼沢信子とはラウンド中に会話がなく、3番が終わった時点で自分自身にプレッシャーを感じていた。「もっと他の選手と会話をしながら楽しいラウンドがしたい!」それが上田のゴルフスタイルなのだが、この日は出来なかった。その見えないプレッシャーが形となったのがパッティングだった。
前半はショットが冴え、8番以外は2メートルほどのバーディチャンスにつけていた。しかし、この入れごろ外しごろの距離がことごとく決まらない。14番でバーディを奪い8アンダーになった時点では、目標の10アンダーが見えていた。しかし15番パー5でボギーを叩いたときにはすべての歯車が狂ってしまった。
結果、優勝したチャンナとは2打差の6アンダー2位タイ。表彰式終了後には共同記者会見に向かう予定だったが、キャディバッグからパターを取り出すと、練習グリーンに一直線。上の写真がその練習風景なのだが、2メートルのパッティングを1時間以上も続けた。
その後記者に囲まれ、すぐに練習した理由を聞かれると「終わってすぐにやらなくて、帰って練習したら、いきなり入るようになるかもしれないですけど・・・。でも何かの役に立つと思って練習しました。何が原因だったのか確認したかったのですが、今、練習を終えてもわかりませんでした」。
この日のパッティングが不調だった理由は、単に打ち方や構え方だけが要因ではないことは本人もわかっている。だからこそ、いつもと同じことを繰り返し試すことで、少しでもきっかけをつかめればと1時間も同じ練習を繰り返した。2週間後には、上田としてももっともタイトルの欲しい「日本女子オープン」が開催される。その前に少しでも不安材料をなくしておきたいと、地道な練習は繰り返される。