ガス欠から取り戻した初心 “宅建”女子・比嘉真美子の再出発「プロゴルファーってかっこいい」
◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 事前(4日)◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄)◇6610yd(パー72)
比嘉真美子は緊張した表情でプロアマ戦に参加した。「地元のトーナメントですごく特別な思い入れがある。この場でプレーできることを感謝したい」と話した。
11歳でゴルフを始め、2012年のプロテストに合格した。19年の本大会でツアー5勝目を挙げて以降は優勝から遠ざかる。昨年は競技から距離をおいて、出場は2試合にとどめた。
「やっぱりちょっとガス欠を起こしてしまった。心技体ともに最高の状態を保たないと活躍できないこの世界でそれがちょっと欠けると思っていた。自分のメンテナンスをしなければ勝つ、負けるどころか戦うことさえ難しい」
地元・沖縄ではクラブを握らずゆったりとした時間を過ごした。「テレビでツアーを見たり、メディアを通して選手を見ることが多くなり、ジュニア時代の気持ちがよみがえった。プロゴルファーってかっこいいなと素直にそう思った。また自分もこの場でプレーできることが簡単じゃないし、特別なことなんだなと実感した。プロゴルファーになることができて本当に良かった」と恵まれた環境に感謝した。
ぽっかりと余った時間は有効に活用した。「私は大学も行ってないし、勉強と向き合う環境になかった。1年間全力で手が届くのはなんだろうと思って、宅建(宅地建物取引士)を受験しようと」。24年末から予備校に通い、25年10月の試験に合格した。24万人以上が受験したが、合格率は18.7%だった。
「学生の授業以来ずっと座ることがなかった。座ることが大変だった。ゴルフ以外のこと、新しいことにチャレンジするのも初めて。自信になった」と喜ぶ。
本大会へは16回目の出場になる。19年は後続に3打差をつける通算5アンダーで逃げ切った。「一番思い出に残る優勝だったので、今思い出しても昨日のことのようによみがえる。また、あの思いを経験したい。そこを目指したい」と意気込む。
今年1月から本格的に練習を再開した。飛距離は250ydと休養前と比較しても手応えがある。「休む前より振れるようになった。良いものも忘れてしまったが、逆に悪いものも忘れている。なぜか振れるようになった。逆に縮こまらずに大きなゴルフをしていけたら良いスコアを狙えるのでは。1ホール目から伸び伸びと縮こまらずにプレーしたい。今のベストをここで尽くしたい。最後まで攻めきりたい」と話した。
今後の本格復帰については「心と体と相談しながら」と明言を避けた。まずは地元・沖縄の空の下、7年ぶりの戴冠へティオフを迎える。(沖縄県南城市/玉木充)
玉木充(たまきみつる) プロフィール
1980年大阪生まれ。スポーツ紙で野球、サッカー、大相撲、ボクシングなどを取材し、2017年GDO入社。主に国内女子ツアーを担当。得意クラブはパター。コースで動物を見つけるのが楽しみ。