過酷な歴史的一戦を振り返る!「日本女子オープン」フォトギャラリー
2011年 日本女子オープンゴルフ選手権競技
期間:09/29〜10/02 場所:名古屋GC(愛知)
メジャー初制覇の馬場、“笑顔”への想い
最後に優勝した08年の「ライフカードレディス」以降、最終日最終組を回ること実に12回。何度も惜敗を喫し続けてきた馬場ゆかりが、ついに待望のツアー通算3勝目を手にした。それも、女子ゴルファーの頂点を争う「日本女子オープン」を制してのメジャー初タイトル。大願成就に嬉し涙・・・かと思いきや、馬場の表情は笑顔で満ち満ちていた。
「今日は笑って終わりたいと思っていました。辛いことが多すぎて、涙は嫌というほど流したので・・・。泣くよりも笑いたかった」。
<< 下に続く >>
優勝争いの常連ながら、なかなか勝利を手にできないもどかしさ。その馬場に追い討ちをかけるように、身の回りに次々と辛い出来事が起きた。今年7月末に父方の叔父が亡くなり、翌8月には愛犬が癌で死去。「苦しくて、悲しくて、辛かった。夜は毎日、泣きっぱなしでした」。明るい笑顔が印象的な、普段の馬場からはうかがい知れない、苦渋に満ちた胸中を吐露した。
そんな馬場を立ち直らせたのが、馬場とともにツアーを帯同し続けている母・真理子さんの言葉だった。9月の「ゴルフ5レディス」で今シーズン5回目の予選落ちを喫した馬場に対し、“もう来週から会場には行きません”と厳しい渇を入れられたという。「本当に辛かった。悪くなりたくてなっているわけじゃないのに・・・」。しかし母の一喝は、「“お互いに頑張ろう”という気持ちになっていった」と、馬場の闘志にゆっくりと火を灯していった。そして、3週間ぶりにコースに真理子さんが足を運んだという今週。「これまで支えてくれて有り難かった」と感謝する母の目の前で、最高の結果で、そして最高の笑顔で母の“愛のムチ”に応えた。(愛知県東郷町/塚田達也)
塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。