斉藤愛璃は予選落ちも、バーディ量産に光明
2012年 NEC軽井沢72ゴルフトーナメント
期間:08/10〜08/12 場所:軽井沢72ゴルフ北コース(長野)
「明日はミラクルを起こしたい」 日下部の急変
「自分でもビックリしています」とは、「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」最終日を通算8アンダーの単独首位で迎える日下部智子の言葉。その反応も、無理はないかもしれない。プロ9年目にして初の単独首位。最終日最終組は、実に07年の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」以来。ここ2年間はシード権をも手にできず、今季も20試合に出場して予選落ちは半数以上。その日下部が突然の躍進を見せ、ツアー初勝利に王手をかけているのだから。
この日の会見でも日下部自身、なにやら半信半疑の様子。「予選落ちが続いていたのに、まさか、いきなりこんなに上にいけるなんて」。しかし、その言葉とは裏腹に、プレー内容はトーナメントリーダーにふさわしいものだった。首位タイからスタートした前半の2番、6番とバーディを重ね、9番(パー5)では3打目をピンに絡めて悠々のバーディ。後半も2つのバーディを重ね、一時は2位に2打差のリードを奪った。最終18番では2打目をダフり、グリーン左の池の手前ギリギリにボールは止まったものの、アプローチを寄せきれずにボギーフィニッシュ。「最後は、私らしいオチでした」と笑う姿も、なんだか他人事のようだ。
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とはいえ、いきなりの好スコアにもしっかりとした裏づけはある。今月5日に32歳の誕生日を迎えた日下部。「あまりに体力が落ち始めたので、こりゃマズイな、と思って」と、3カ月ほど前からトレーナーを付けて体幹をベースに鍛える本格的なトレーニングを始めた。さらに2週前から替えたパットの握りがフィットし、長く苦しんでいたパットの不調からも脱出。ただ、自らの劇的な変化に、心が追いついていいないようで・・・。
「明日はミラクルを起こしたいですね」と、やはり笑いを交えて話す日下部。今季は斉藤愛璃のツアー初勝利から始まり、有村智恵の左手首痛からの復活勝利、キム・ヒョージュ(韓国)の歴史的勝利など多くのドラマが生まれているが、これまでとは毛色が違った“ミラクル”なドラマも見てみたい。(長野県軽井沢町/塚田達也)
塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。