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「これでは終われない」 不動裕理とパットの戦い

05年まで6年連続で賞金女王に君臨し、今も別格の存在感を醸している不動裕理。しかし今シーズンは、先週まで8試合、計25ラウンドを回って60台を一度もマークしていなかった。不動の強さを知る人にとっては、少々耳を疑うような感覚だろう。

ようやくの60台をマークしたのが昨日、今週開催の「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」2日目の「69」だった。そして3日目、4バーディ、ノーボギーにまとめての「68」とさらに1ストローク減らし、2日連続の60台。通算6アンダーは首位に2打差、順位も3位タイに浮上し、2シーズンぶりの勝利をも圏内に捕らえた。

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長らく60台から離れていた理由について、「パッティング」と即答。「去年からパットが良くなくて、今年も1メートルとか2メートルのショートパットがほとんど入らない」と苦笑いを交える。それは、平均パット数を見ても明らかだ。未勝利に終わった昨シーズン、パーオン率7位に対して、平均パット数は18位。今シーズンもここまで45位と低迷が続いている。

特に、コレという原因があるわけでもない。長年、頂点の座を支えてきた自分のパッティングスタイルに疑いは無い。ただ、なぜか一筋の違いでボールがカップに嫌われる。その中でも、「ここ2、3週間はだいぶ良くなってきた」と、不動の中には光明が見え始めていた。

5月のメジャー初戦から、3年ぶりにかつてのエースパターに戻した。しかし、テクニカルな面で大きな矯正はない。ただ、“ガマン”という言葉を何回も繰り返した。「ここ一ヶ月は、すごくガマンしているし、出来ていたと思う。これだけガマンできていれば、良いことがあると思っていたから頑張れた」。

不動は続ける。「去年からパットの調子が悪くて。これじゃ、パターに負けた気になって、これでは終われないな、と思っていた」。何か、不動の意地のようなものが伝わってくる言葉だった。(兵庫県神戸市/塚田達也)

塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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