新ミーティング委員長 吉田弓美子の決意
2013年 ニチレイレディス
期間:06/21〜06/23 場所:袖ヶ浦CC新袖C(千葉)
吉田弓美子、シード喪失の覚悟で掴んだ勝利
今年3月の「アクサレディス」。最終日のスタート前、ゴルフ場は異様な雰囲気に包まれていた。練習場から選手が消え、ロッカーの奧で前日の出来事について協議をしている。選手と協会の間に入り、双方の調整役となっていたのは、今季ミーティング委員長を務める吉田弓美子だった。
男子でいう選手会長の大役は、時としてシード維持もままならない程の犠牲を伴う。「見えないプレッシャーがあって、最後は立候補した・・・」という吉田にとっては、人生初の“長”がつく役職。「今年は本当にいろいろと未経験のところから始まって・・・。開幕からシードは取れるか分からないと思っていた」と大きな覚悟も決めていた。
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それでも、委員長を辞めたいと思ったことは一度も無いと、吉田は言う。「両方やるのは大変だけど、自分で決めたこと。勝ったときに“委員長V!”って載せて貰おうと思って(笑)。そうやって目標を楽しい方に持っていったのが、思い込み過ぎず、落ち込まずやれたのかなと思います」と、ポジティブ思考で乗り越えた。
「選手は選手の中で話をして頭が固まっていることもあるし、周りが思っていることもある。(メディアとの)意見交換会とか、良い時間を頂いていると思います。ツアーに関わっている色んな人たちがわかり合えていったら、もっともっと魅力あるツアーにできるんじゃないかと思います」と吉田。「時間は掛かると思うけど、みなさんと良くして行けたらいいと思います」。
吉田のキャディバッグには、ディズニーキャラクターのダッフィーとシェリーメイのパペットが、ヘッドカバーとして収まっている。千葉での連戦の合間には、ディズニーランドに行く計画も温めていると目を輝かせる。彼の地のテーマは“夢と冒険”。困難を乗り越え、未知なる世界を目指す姿勢は、プロゴルファーにも共通だ。「ダッフィーって分かります?同じ熊でもプーさんは、私なんですけどね」。自身を笑いものにして締めくくるのも、吉田のサービス精神の表れだ。(千葉県千葉市/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka