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分解して“向き”をそろえる 道具にこだわる父と蛭田みな美の契約フリー

◇国内女子◇アクサレディス in MIYAZAKI 事前情報(28日)◇UMKCC(宮崎県)◇6525yd(パー72)

ドライバーとボールを除いて用具契約フリーの蛭田みな美。父の宏さんはクラブを分解し、組み立て直して調整するこだわりを持つ。福島県の自宅に設けた工房は、クラブカスタム用の道具であふれている。

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分解する理由は複数あるが、その一つはシャフトの『スパイン』の調整だ。スパインとはカーボンシャフトの製造過程でできる、カーボンシートの巻き初めと巻き終わりが重なる部分。ほかの部分より硬く仕上がる。

あるシャフトメーカーの担当者は「微妙な硬さの差ができる。カーボンシャフトだけではなく、作り方の異なるスチールシャフトでも、硬さに本当にわずかに差があるときがある」と指摘する。

宏さんが重視するのはシャフトをヘッドに挿したとき、すべてのクラブでスパインが同じ向きに位置することだ。各メーカーは自社製品のスパインの方向を統一するのが一般的。ただ、蛭田はクラブ契約するブリヂストンスポーツの1Wのほか、タイトリストの3W、5W、7W、ピンのアイアンなどを組み合わせており、メーカーごとにスパインの向きは異なるという。

宏さんの道具へのこだわりは、車の整備不足で死亡事故を招くこともある趣味のラリー競技から増した。「(スパイン調整は)切り返しの感覚などに非常に関わる。7万円ほどする器具を買って、自宅で全部調整しています」と述べる。蛭田は「クラブをいじるといじらないでは、球の散り方は違うと思う」と話した。

契約フリーの場合、各メーカーから用具提供も受けられるが、すべての希望がかなうわけでない。アイアンは現在、ピンに提供されたものを使っているが、昨年はアイアンを自腹で4セット購入した。「結局合わなくて」と売却したが、分解して調整しているため、買い取り価格は低くなるという。

クラブ契約を結べば契約金を得られるなどのメリットもあるが、宏さんは「魅力的ですよ。でも、ゴルフは道具を扱うスポーツ。そこの投資は惜しみたくない」と強調した。(宮崎県宮崎市/林洋平)

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