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国内シニアプロゴルファー誕生100周年記念 ISPS HANDA コロナに喝!シニアトーナメントの最新ゴルフニュースをお届け

誕生100周年 多様化するプロゴルファーのあり方

◇国内シニア◇プロゴルファー誕生100周年記念 ISPS HANDA コロナに喝! シニアトーナメント 最終日(23日)◇赤城ゴルフ倶楽部 (群馬県)◇シニア6931ヤード、スーパーシニア6312ヤード(ともにパー72)

兵庫県に舞子カンツリー倶楽部(現:垂水GC)が設立された1920年、キャディマスター兼プロとして採用された福井覚治が、日本人プロゴルファー第1号として歴史にその名を残している。

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日本プロゴルフ協会の倉本昌弘会長は10歳から大学生の頃まで、福井の息子・康雄にゴルフを教わっていた。「非常に真摯(しんし)で、必ずジャケットを着てレッスンをしていました。覚治さんもそうだけど、昔のプロはアマチュアから『君はプロとしてやったらいい』と認定された。人柄もあるし、仕事っぷりもある。いまのプロとは違いますね」と述懐する。

50歳のシニア入りを機にプロとなった田村尚之も、康雄に教わった記憶がある。「僕はちっちゃい頃から我流でやっていたので、ある日親父がこれでいいのかと心配して、福井康雄さんに見てもらったんですよ。そしたら『そのまま打ちなさい』しか言われなかった」と笑う。だが、そのとき康雄は「ゴルフに力は要らないからね。ほら、これでも打てるから」と、両手の指を交互にシャフトの上と下に置いて打ってみせ、当時ガリガリに痩せていたという小学校低学年の田村少年に手本を示したという。

プロ宣言すれば、まがりなりにもプロとしての活動ができる現在とは時代が違う。「昔、河野高明さんが(アマチュアの)中部銀次郎さんと優勝争いをしていて…」と田村は言う。「最終日前夜に飲み歩いていて、『あした優勝争い大丈夫ですか?』って聞かれたら『俺がアマに負けるか!』って、ほとんど飲みあげて勝ったとか…」。プロという看板を掲げる以上、常に力でそれを証明しなければならなかった。「(酒を飲むのが)良いか悪いかは別として、それだけの誇りと、それだけの練習をしていたんでしょう」

日本プロゴルフ協会は、2023年に現在のプロ資格認定制度を改定し、トーナメントプレーヤー(TP)とティーチングプロ(TCP)に分かれていたものを一本化する。「いまのプロは技術があればいいっていうところだけでやっているけど、そうであってはいけないよねっていうのが我々の方向性です」と倉本会長。ツアー出場条件としてのTP資格が有名無実化していることに加え、増大するティーチング需要に応えられる人材が少ないことも改定の背景にあるという。

いったい、プロゴルファーとはなんなのだろう?今大会を制した鈴木亨は恥ずかしそうにこう定義する。「そんなかっこいいものじゃないですよ。僕は仕事なので、生きるためにやっています。人を喜ばせたいとか、感動を与えたいとか、そっちの方に結びつけていきたいけど、僕にとっては仕事なんです。だからこそ、試合がないという状況だと身にならないというか…」。コロナ禍での自粛期間中、他の仕事をすることも頭をよぎったと告白した。

男子も女子もプロテストにさえ合格すれば、立派なプロゴルファーになれるというわけではない。また、その逆もしかり。日本人プロ誕生100周年を迎えたいま、逆説的だがゴルフ界ではアマチュア資格の方がより貴重なものに感じられるほど、プロゴルファーがあふれている。(群馬県渋川市/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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