素直に悔しさを表現し常に高い目標を追う上田桃子
2007/02/23 00:00
フィールズオープン初日、最終9番でティショットを左に曲げた上田桃子は、つま先上がりの難しいライからグリーン手前まで運ぶと、アプローチを1.5mに寄せた。入れればパーセーブ。しかし、ジャストタッチのそのパットは、カップ手前で失速するように左に切れた。瞬間、持っていたパターを上に振り上げ、自分の頭にぶつけるような仕草を見せた上田。そして、打ち切れなかったことを悔やむように、右手でパンと自分の尻を叩いた。
トータル2オーバーの74位タイ。ホールアウト後、記者達に囲まれたが、「長かったです・・・」と一言発してから、しばらくは次の言葉が出てこなかった。
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少しして、とつとつと話し出した。ショットは良かったのに、パットが全然入ってくれなかったこと。同組の選手が後半から入りだして、余計に自分が入らなく感じてしまったこと。それでも我慢してれば良いことあると思っていたのに、最後の最後まで入ってくれずに終わったこと・・・。その言葉には、この日の悔しさが滲み出ていた。
何勝もしている大ベテランならいざ知らず、まだツアー未勝利の選手ならば、これ位悔しがってくれた方が、見ている人も応援しがいがあるのではないだろうか。悔しさは、自分への期待の裏返し。沢山悔しがるということは、より高いレベルの自分がイメージ出来ていることに他ならない。
記者達の取材が終わってからも、「おばさんに負けたのがちょー悔しい(同組のベテラン選手のこと)」とか、「お腹が痛い、キリキリする」などと、この日溜まったストレスをしゃべることで吐き出し続けた上田。
3日間大会ながら、明日もペアリングは変わらない。好調なショットと悔しさというバネを武器に、リベンジするチャンスを貰った訳だ。
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka