メジャーでも活きたOKライン 横峯さくらが7位で決勝ラウンドへ
2014年 全米女子オープン
期間:06/19〜06/22 場所:パインハーストNO.2(ノースカロライナ州)
53歳のDNA インクスターは最後の全米女子OPか
輝く将来を予感させるティーンエイジャーの話題はいつだって新鮮だ。11歳のルーシー・リー、17歳のリディア・コー(ニュージーランド)、19歳のレクシー・トンプソン…。「全米女子オープン」は今年もフレッシュな魅力にあふれ、日本からは16歳アマの橋本千里が予選を通過。厳しい戦いに彩りを添えた。その一方で、長きにわたって戦いの場を求め続けるベテランたちのプレーも、存分に魅力あるもの。今大会は53歳が開幕前に話題を呼んだ。
1999年、2002年大会の優勝経験を持つジュリ・インクスターが今年、注目を集めているのはこの「全米女子オープン」出場を今年限りで“引退”すると大会前に明らかにしたからだ。「今年はあと2試合だけでしょう。来年は6試合だけ。(全米女子オープンは)今回がたぶん最後になる」
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ツアー通算34勝、うちメジャー通算7勝のグランドスラマーは、2人の子供を産んだママさんプロゴルファーの草分け的存在。若手が出現するにつれ、近年ではテレビのコメンテーターなどコース外での役目も多くなった。ゴルフへの愛情が薄くなったわけではない。むしろ「プレーしなくても幸せ」と思えるようになったという。この「全米女子OP」では2009年を最後に決勝ラウンド進出がなく、引き際と判断したようだった。
ところが、パインハーストNo.2を舞台としている今週、インクスターは見事予選通過を果たした。第1ラウンドを1オーバーでまとめ、この2日目は「75」。通算6オーバーの28位タイと堂々の成績でカットラインをクリアしたのだ。「良いプレーができなかった。パットが特に。ミスヒットが多くてショートパットを外してしまった。全体的には残念。週末がまだある」と、厳しい姿勢で自分のプレーを評価。「週末からはイーブン、1アンダーくらいでそれぞれプレーしたい」。老け込む様子は微塵もない。
自らが節目とした一戦での好結果。“全米女子OP引退”を決めたこと、今回がラストになることが、メンタル面で変化を及ぼしたのかもしれない。気合が入ったから? 丁寧にプレーしたから? そんな問いにはこう答えた。
「それは無いわ。ただ、一生懸命やってるだけ。これが私のDNAよ」
過去の「全米女子オープン」も、いや出場してきた試合のすべてでも、同じように全身全霊をかけて戦ってきた。世界一の称号を争うトーナメントへの34回出場は、そんなプライドの積み重ねだ。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw