2026年 アーノルド・パーマー招待byマスターカード

“オーガスタ級”の名門で 久常涼はゴルフセレブのプロアマになぜ参加できたのか?

2026年 アーノルド・パーマー招待byマスターカード 最終日 久常涼
PGAツアー3年目の久常涼はどんどんたくましく。エリートが集まるプロアマ戦に行ってきた!

◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待 byマスターカード 最終日(8日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7466yd(パー72)

「アーノルド・パーマー招待」開幕を控えた月曜日(2日)、フロリダ州東海岸のジュノビーチではPGAツアーのエリート選手が、あるプロアマ戦に興じていた。非公開の1日競技にはトミー・フリートウッド(イングランド)やコリン・モリカワ、ネリー・コルダらが参加。優勝したのは、父のゲーリーさんとペアを組んだロリー・マキロイ(北アイルランド)だった。

セミノールGCというゴルフ場で行われるプライベートプロアマは、2004年以降、タイガー・ウッズをはじめとするトッププレーヤーが参加したことから、知る人ぞ知る催しになった。名設計家として知られるドナルド・ロスがデザインし、近年ギル・ハンスが改修に携わったコースでのイベントを、かつてデービス・ラブIIIは「その年の最初のメジャー」と名付けたとか。そして今年、有名プロに紛れゲームに初参加したのが久常涼だ。

2026年 アーノルド・パーマー招待byマスターカード 最終日 久常涼
ともだちづくりがハンパない

「ただ、プレーしてみたかったんです」と23歳は名コースでのラウンドを天真爛漫に楽しんだ。海沿いの強い風が吹き抜けるフラットな18ホールのグリーンは、ほとんどが砲台形状で「外すとひたすら離れて行っちゃう。“サヨナラ、グッバイ”」。広いウェアウェイも戦略的で「傾斜が面白くて、打たなければいけないスポットは結構狭い。誰かがマスターズの前には必ずあそこで練習すると聞いた意味がよく分かった」と難関ホールの連続を満喫した。「マキロイは『63』だったんですけど、僕はイーブンパーで、ひとりでガッツポーズの気分。次元が全然違う」。しっかり打ちのめされた経験もなんだか誇らしい。

ところで、このイベントのゲストはプロの方で、主体は当地のメンバーである。プロとクラブ会員がコンビを組むペア戦を並行して実施。「賞金もないんです。得られるものは…名誉というか」。それでもトップ選手たちがイベントに集まるワケは、クラブのメンバー様たちが、米国のゴルフ界をリードするVIPばかりだからという理由もある。久常のパートナーは全米ゴルフ協会(USGA)のフレッド・パーパル会長だった。

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英会話は主に「キャディさんに聞いて学んだ」そう

なにせセミノールGCこそがセレブだらけのクラブで、雰囲気も格式も「オーガスタ(ナショナルGC)みたい」とマスターズの会場のように厳かだ。ゴルフ場で携帯電話を触るのはマナー違反。その分、ホスピタリティ精神の高さはこの上ない。コースに到着してチェックインを済ませると、いつの間にかドライビングレンジにはキャディバッグがセットされている。同週に「プエルトリコオープン」に出場する選手のために、プライベートジェットも用意してあるというから、その歓待ぶりたるや…。

さて、書きとどめておくべきは、そもそもツアー3年目の23歳がいかにしてこのゲームに参加できたのかということだ。1月の開幕第2戦「ザ・アメリカンエキスプレス」に出場時、久常はプロアマ形式の同大会で、一緒にプレーしたセミノールGCのメンバーと知り合い、当地のヘッドプロを紹介してもらってエントリーにこぎつけた。

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今週は第5のメジャーに出場します

米ツアー参戦前に欧州ツアー(DPワールドツアー)で1年を過ごし、海外生活において独学で英会話を身に着けてきた。屈託のない笑顔でコミュニケーションを取り、“年上の友だち”をどんどん作る。USGA会長とペアを組めたのも、2月の「AT&Tペブルビーチプロアマ」で知り合ったから。一緒に回った別の男性アマとも仲良くなり、セミノールでは豪邸に宿泊させてもらったという。

「その方はセミノールの他にもサイプレスポイント、オーガスタナショナル、シネコックヒルズ…、10コースくらいのメンバーさんらしいんです。ペブルビーチで連絡先を交換して、『おうちに泊ってもいいですか?』と聞いてみたら、招待してくださった。82歳なんですけど、まだまだ元気でいてもらわないと!」

米ツアーにはこれまで多くの日本人選手が挑戦してきた。トップレベルへの道も、米国生活の充実も、これまでとは少し違うルートで模索している。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)

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桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。X(旧Twitter): @yktrgw

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