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PGAツアーチャイナからアメリカへ 賞金王は19歳

成長著しい中国ゴルフ界で、今もっとも注目を集める若手選手として名前が挙がるのは、湖南省出身の李昊桐(リー・ハオトン)19歳だ。

183cmのスラリとした長身の頭からつま先、さらにクラブからキャディバッグまでスウッシュのロゴが踊る。そう、昨年7月に彼と張新軍(チョウ・シングン)の2人は、中国人として初めてナイキとの総合契約を締結したアスリートとなった。

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張は“スコア誤記”の常習性を疑われ、中国ゴルフ協会から来年3月まで6ヵ月の出場停止が課せられているが、一方のリーの才能はここ最近で急速に花開いた。今年から始まったPGAツアーチャイナでは、9月末に行われた「河南オープン(Henan Open)」で初優勝を飾ると、その後の残り3試合で2勝を挙げて、一気に賞金王へと上り詰めた。当然、来年は米下部のウェブドットコムツアーへとステップアップを果たすことになる。

また、その間にはワンアジアツアーの「南山・中国マスターズ(Nanshan China Masters)」も制し、これは同ツアーの史上最年少優勝記録を更新した。先週はアジアンツアーの「タイランドゴルフ選手権」に出場して45位タイ。その最終日に、彼のプレーを少しだけ見る機会があった。

緩やかに左にドッグレッグする最終18番で、やや右に出たティショットはラフで跳ね、さらに隣にあるカート道を転がってその上で止まった。表情こそ幼さが残るリーだが、球の方に歩いてくると、「カート道で跳ねたのか?」と英語で周囲に確認をしながら球のところに行き、救済のためにドロップするライが悪いことを確認すると、そのままカート道路上から2打目を放った。

荒削りな中にそこはかとなく漂う大物感。ホールアウト後は、数人の記者たちに囲まれたが、少し話すと軽くあしらうように自ら話を切り上げて去って行った。この8月で19歳になったばかりで、最近急激に注目を集め始めているはずなのに、“こんなところで満足する自分ではない”と言わんばかりの態度が好印象だった。

この1年で世界ランクは730位から195位まで上がり、中国人選手としてはリャン・ウェンチョン(175位)、呉阿順(188位)に次ぐ位置につけている。PGAツアーチャイナからウェブドットコム、そして将来はPGAツアーへ。日本ツアーのシード選手が苦労してウェブドットコムツアーのQスクールに挑戦しているのとは対照的だ。やはり経済力がものを言うのか、中国発アメリカンドリームへの直通道路はじつに快適に整備されている。(タイ・チョンブリ/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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