叶わなかった始球式 “カープ女子”佐伯三貴のモチベーション
佐伯三貴 私がプロになろうと思った瞬間
2004年、広島県の広島CC八本松コースで開催された日本女子オープン
アマチュアとして出場した佐伯は、初日「84」、2日目は盛り返して「75」を記録したが、通算15オーバーであえなく予選落ちしてしまう。その試合を見に来ていた祖父は、2日目に奪ったバーディを事のほか喜んでくれたという。しかし、それが祖父に自分の試合を見せる最後の機会になろうとは、その時は思いもしなかった。
―― おじいさんはどんな人だったのですか?
「すごく感情豊かな人で、泣いたり笑ったりが激しかったです。私が勝ったら、泣いたりしてくれて。私が頑張ると一番喜んでくれたし、私のことをいつも応援してくれましたね」。
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―― おじいちゃん子だった?
「そんな事はないですよ。おばあちゃんも平等に(笑)。おじいちゃんはゴルフが大好きだったから、いつもゴルフのことで喧嘩しましたね。小学校・中学校と練習場に連れて行ってくれたのは、おじいちゃん。私が練習している間、おじいちゃんはゴルフショップで待っていてくれて。今思うと、おじいちゃんの存在は大きかったです」。
その祖父も、3年前に帰らぬ人となってしまう。それまでは、ゴルフで稼ぐ自信も無く、結婚でもして家庭に入ろうと漠然と思っていた佐伯だったが、一番の理解者を失った時、彼女の中である変化が起きた。
「あの時ですね、私がプロになろうと思った瞬間は。おじいちゃんは私の頑張る姿を一番見たがったし、私も見せてあげたかった。死んだことによって、私の晴れ舞台を見せてあげられなかったけど、死んじゃったけど、今からでも遅くない。頑張ろう。そう思ったのが、プロを目指す最大のきっかけでした」。
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