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中島啓太がアマチュア5人目の快挙へ1差 石川遼の弟とタッグ

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目(14日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)

ことしも「@」が御殿場の主役になる。日体大の2年生、中島啓太が快挙に前進した。イーブンパー13位タイから9バーディ、3ボギーでこの日のベストスコア「64」をマークし、通算6アンダー3位タイに浮上。前年の金谷拓実に続く、ツアー史上5人目、同大会では3人目のアマチュア優勝のチャンスを手繰り寄せた。

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1年前の最終日、中島はジュニア時代からトップアマとして腕を競い合った金谷の快挙に、18番グリーン脇で目に涙を浮かべていた。さあ、今度は自分の番――。首位に1打差で迎える最終日に向け「優勝を意識しないのは無理。どうしても意識してしまうと思います。最後まであきらめないでプレーしたい」と言った。

富士山頂の雪をも解かす陽気の土曜日は、圧巻のプレーで途中トップに立った。5mを沈めた3番(パー5)から3連続、8Iでピンそば1.5mにつけた7番(パー3)から4連続バーディ。3パットの16番で2連続ボギーをたたきながら、最終18番でスーパーショットを繰り出した。1Wで残り175yd地点まで運び、7Iでピンそば3mに。先に2オンに成功していた同組・浅地洋佑から「内側かよ!」と感嘆の笑い声が飛んだ。イーグルパットを外しても、ムービングデーのプレーに納得いかないはずがない。

「ピンポジションが難しいので、無理に攻めるとオーバーパーになる。とりあえず落ち着いて…と思っていた。前半に貯金できて、難しい後半を耐えられてよかった」。2000年生まれの恐るべき冷静さ。「リーダーボードは確認していましたけど、緊張せずにプラン通りにできたと思います」とまっすぐ前を向いた。

2018年の「アジア大会」個人&団体・金メダリストは、ここ3年のプロツアーでの試合に7試合に出場し、予選落ちが1回しかない。前年のこの大会、今年の「日本オープン」はいずれも18位。この日の首位・木下稜介をはじめ多くのプロが「上に来ても不思議じゃない」と評す。中島自身、かねて食事や肉体管理にも熱心で、最近は24時間営業のフィットネスジムチェーンの会員になり、試合期間中も全国の店舗で汗を流している。

今大会は石川遼の弟・石川航(日体大3年)をキャディに起用した。同じ埼玉出身で、中学生時代から親交があり、現在は大学の1つ上の先輩にあたる。「お互いに意見を言い合っている。最終的には自分の意図を優先してくれるけれど、風や傾斜の読み方も勉強になる」とコンビに自信を見せ、この日の居残り練習にも精を出した。

1年前、金谷も3日目にフィールドベストスコアを記録(63)して、翌日に赤いチャンピオンブレザーを着た。「去年、あの感動を間近で見させてもらった。自分は金谷さんのおかげで成長できた。同じ舞台に立ちたい」。同じように、最終日最終組でティオフする。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

<日本男子ツアーでのアマチュア優勝>
1980年「中四国オープン」 倉本昌弘(当時25歳)
2007年「マンシングウェアオープンKSBカップ」 石川遼(15歳)
2011年「三井住友VISA太平洋マスターズ」 松山英樹(19歳)
2019年「三井住友VISA太平洋マスターズ」 金谷拓実(21歳)

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2020年 三井住友VISA太平洋マスターズ



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