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「自分のため」から「誰かのため」へ YouTuber香妻陣一朗の変化
11月「三井住友VISA太平洋マスターズ」を制した香妻陣一朗は17日(木)、東京・お台場にある「BMW GROUP TOKYO BAY」で、副賞となる「BMW 8シリーズ グランクーペ」の贈呈式に出席。フォトセッション後に自らもスマートフォンで憧れの一台を撮り始めた。「納車のときにでも、YouTubeでお見せできれば」と笑った。
2019年にツアープロたちの中でも先駆け的に始めたYouTubeチャンネルでの動画配信は、「僕のファンを増やすこと、知名度を上げること」が目的だった。
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念願の初優勝を飾り、2020年も残りわずかとなって心の変化を感じている。チャンネル登録者数は3万人を超え、徐々に認知されてきた実感がある。PGAツアー「ソニーオープンinハワイ」(2021年1月14日~/ハワイ州ワイアラエCC)参戦を控えるつかの間のオフは忙しく、活動を続ければ続けるほど、マンネリに陥らないコンテンツ作りにも頭を悩ませることになる。
それでも、「やるからには、しっかり続けないといけない」と話す。その道に明るい宮崎・日章学園高ゴルフ部の後輩に動画編集を任せており、研修生としてゴルフの腕を磨く中で「少しでも(生活の)足しになれば」と仕事として発注している責任感がにじむ。
これまでは親交が深く、レギュラーツアーでも実績十分の秋吉翔太、浅地洋佑、出水田大二郎といった面々に協力を仰ぐことも多かった。「せっかく見てくれる方々がいるので、なかなかメディアに出ない若手というか、『こういう面白い選手がいる』とか、紹介していけたらいいですよね」。登場してもらう人選も新たな方向性を模索しているという。
ツアーの盛り上がり、活性化につなげる上でファンの拡大は不可欠。前日は男女対抗チャリティマッチで“対決”した田中瑞希に出演をオファーし、「女子プロは特にファンを持っている選手も多い。対決企画とか、そういうのをやれば、僕ら男子プロを知ってもらうことにつながるかもしれない。女子プロに出ていただくのもありなのかな」と言った
これまでの動画で予想以上に反響が大きかったのは、トッププロがかっちりとコーディネートを決めて集う「ジャパンゴルフツアー表彰式」のファッションチェックだったとか。プロ野球の世界では毎年華やかな契約更改のニュースが大きな話題を呼ぶ。「ジュニアとかに見てもらえば、『お金』っていうのは絶対にひとつのモチベーションになる。プロゴルファーって夢があるなって。そういう夢のある話も出していけたら」
己の技術でタイトルをつかみ、高額賞金と豪華な副賞をゲットするのも、プロゴルファーならでは。「いま賞金ランキング的にもいいところ(5位)にいて、トップのチャンスもあるかなという気持ちでいる。来年早めに1勝して、年間2勝とかしていくと、上が見えてくるのかな。賞金王を目指したいですね」。はっきりと“本業”の夢を広げた。(編集部・亀山泰宏)