最終日 スコア
2021年 長嶋茂雄招待セガサミーカップ
期間:08/19〜08/22 場所:ザ・ノースカントリーGC(北海道)
「当たり前が当たり前ではない」またも惜敗の上井邦裕はスタート前に1W破損
◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 最終日(22日)◇ザ・ノースカントリーGC(北海道)◇7178yd(パー72)
キャリアで9回目の最終日最終組はスタート前にアクシデントに見舞われた。1番ホールのティイングエリア。上井邦裕は1Wのクラウン部分にラインが入っているのを見つけた。「汚れかなと思った」が拭っても取れない。ヘッドにヒビが入っていた。
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2年以上愛用してきたエースドライバー。ロッカーに置いていた予備のクラブに慌てて交換してスタートしたが、メーカーも違うモデルがすぐ手になじむはずもない。「気持ちを整理するのに時間がかかった」。比嘉一貴に前半6番で追いつかれ、前日までの2打のリードを喪失。10番からの2連続バーディで再び前に出たが、終盤に競り負け2差の2位に終わった。
「きのうの後半は確かにおかしかった。10番、18番でも(1Wで)うまく打ったと思ったのが、すごく曲がって。その後、練習場で確認したけれど、割れてはいなかった」。3日目のホールアウト後、「後半はしっくりこなかった」と繰り返していた原因の大きなひとつと言って間違いない。
「楽しく回りたかった。楽しさは半減。もう少しいいゴルフがしたかった」。待望の初勝利のチャンスが巡ってきたからこそ、嘆きたくなるもなるが「いい勉強になった」と潔く言った。「当たり前が当たり前ではないということ。この(コロナ禍の)ご時世ですし。キャディさんが(スペアのドライバーを取りに)ダッシュしてくれたことに感謝です」と38歳は言い訳を続けなかった。
「シード落ちをして戻ってくるのは生半可なエネルギーではない。精神力もいる。そこで戻ってこれる人間はある程度の力があるし精神的にもタフ。すごいと思う。そこからツアー優勝となったらなかなかいない」と前日話していたのは、同じチーム芹澤の藤田寛之だった。チャンスはきっとまた訪れる。(北海道千歳市/桂川洋一)